【2018 Performance Management Conference】2日目速報レポート
2018 Performance Management Conferenceが終了しました。2日目の概要を速報レポートとして共有させていただきます。
ADP社の事例
2日目は、ストレングス・ファインダーでも有名なマーカス・バッキンガム社を買収した後のADP社での変革についての事例共有から始まりました。これまでは 内外からPayroll Companyとして認められていたADP社ですが、買収によってビジネスモデルが大きく代わり、組織としての変革を迫られました。ADP社では、パフォーマンス・マネジメントを、Accelerate(マネジャーやメンバーに対して)とMeasure(組織に対して)の二つの観点から整理し直しました。また、大変興味深かったのが、マネジャーが、メンバーとどれだけ時間を割いてカンバセーションを行っているかが、メンバーのエンゲージメントやチームのパフォーマンスに大きな影響を与えるということでした。週1回のStrength-based Conversationによって、エンゲージメントが57%高まったというデータが示され、パフォーマンス・マネジメントの取り組みをより前に進めるためには、Attentionがキーとなるということでした。具体的には、それらのカンバセーションの内容はトラッキングしておらず、実施しているか自体が大切だとのことです。
Teradata社の事例
二つ目は、データ分析を行うTeradata社の事例紹介でした。時代と共に情報量が格段に増え、ハード・ソフトウェアのビジネスからクラウドやサブスクリプションのビジネスへの転換が必要となったそうです。これまでのTeradata社は、タレント・マネジメントのシステムを持たず、パフォーマンス・マネジメントは報酬チームによって管理されていました。スピーカーのLisa Ridge氏が初めてパフォーマンス・マネジメント変革の取り組みを一人で始めたそうです。また、検討の結果、この会社では、一般的なトレンドとは異なり、新たにレイティングを導入することを決めたそうです。Teradata社のビジネスモデルが完全に変わっている中、組織で今何が起きているのか、何が求められているのかについて、より明確な指針が必要とされていたことが要因となったそうです。取り組みのなかでキーとなったのが、新しいコンセプトに適したマインドセットを持つ従業員を集め、カタリストとして協力を仰いだそうです。彼らが現場での取り組みの推進者となってくれたことが、ここまでの成功に大きな影響を及ぼしたと話されていました。
カンファレンスを終えて
2日間のカンファレンスを終えての感想ですが、パフォーマンス・マネジメントの取り組みに正解や終わりはなく、それぞれの組織や文化に合った施策の必要性があること、そこで使われる言葉を変えることによって、マインドセットの変化を促すことなどは、これまでと変わらず強調されていました。これまでの議論からの変化としては、チームのパフォーマンス・マネジメントに着目することや、ピア・フィードバックの文化をどのように作っていくのか、といった視点が以前にも増して聞かれたように感じました。(高柳・佐野)