本コースでは、人や組織の変化や成長を支える場づくり(プロセス・ガーデニング)の実践を学び、「場やプロセスに影響を与える振る舞い方」や、「場やプロセスをデザインし、創っていく力」を高めます。 今年度はリアルな場での場づくりが増えてきていることを鑑みて、人が集う意味を考える機会としてリアルでの開催といたします。リフレクションセッションでは、オンラインでの場づくりや対話の可能性を探求する機会として、リアルとオンラインのハイブリッドでの実施を予定しております。
プロセス・ガーデニング実践コース
本コースでは、人や組織の変化や成長を支える場づくり(プロセス・ガーデニング)の実践を学び、「場やプロセスに影響を与える振る舞い方」や、「場やプロセスをデザインし、創っていく力」を高めます。
プロセス・ガーデニング実践コース概要
学習や成長に大きな影響を与える「場」と「プロセス」
人々の学習・変化・成長に影響を与える要素の中でも、特に重要なものが「場」と「プロセス」です。
人々が学ぶ場や空間がどのような雰囲気をもっているのか、どのような空気が流れているかによって、人々の協働や共創といった相互作用、探求や学習の度合いが大きく変わります。
また、人や組織の学習や成長のプロセスをどのようにデザインするのかによっても、その後の変化の大きさや取り組みの継続の度合いは異なってきます。実現したい状態に向けて「場」と「プロセス」を育てていくには、プロセス全体を企画・運営・ファシリテーション・サポートをする人々がどのような姿勢でどのように関わるのかが非常に重要となります。
取り組みの内容以上に、「支援のあり方」が検討すべき重要なテーマであるとも言えるのです。
参考記事:『プロセス・ガーデニング - 庭師の視点で、人と組織の変化を育てる ー』
人材開発・組織開発を通して自組織に合った変化を生み出すために大切な考え方として、私たちヒューマンバリューのメンバーが礎にしている「プロセス・ガーデニング」について「支援のあり方」という側面からご紹介します。
「場とプロセスのデザイン」の重要性の高まり
リモートワークの常態化や見通しの利かない状況において、物理的な距離を越え、人々の相互作用や協力や信頼を生み出す場やプロセスを育むことの意味、人々や組織の変化や成長をサポートすることの価値は、ますます高まっています。
企業・行政・NPO等における人材開発の取り組みは、講師やマネジメントによる一方的な講義や指導によるものから、参加者や関係者同士の話し合いや相互作用を通してから知識やアイデアや新しい取り組みの創発を目指す形にシフトしています。また、組織の活性化や変革を図る取り組みや話し合いにおいても、経営層やメンバーがオープンに話し合い探求する中で、新たなアクションや取り組みを生み出していく、相互作用の高い自律型・参加型の場づくりが一層大切になっています。
「場とプロセス」をサポートする「プロセス・ガーデニング」
「話し合いや学習の実現したい状態」をつくるためには、話し合いや場づくりの原則やポイントを押さえながら、事前準備からその場の雰囲気づくり、起きた場をホールドすることなど、多様な観点から「場」や「プロセス」をサポートしていく必要があります。
ヒューマンバリューでは、「場」や「プロセス」を、組織の変化や学び手の成長を生み出しやすい状態に創りあげていくことを「プロセス・ガーデニング」と呼んでいます。「学習や成長のプロセスを育む土壌を耕し、変化の芽を大きく育てていく」という意味が込められています。
一般的にこうした役割を担うのは、組織の中では研修の事務局を担当するような方であったり、コンサルティングファームやトレーニングファームではサポートスタッフのような方々です。最近では、ファシリテーションやマネジメントをされている方など、多様な役割の方がプロセス・ガーデニングを大切にされるようになってきています。
プロセス・ガーデニング実践コースの目的
こうした「場やプロセスに影響を与える振る舞い方」や、「場やプロセスをデザインし、創っていく力」を高めるコースが、プロセス・ガーデニング実践コースです。
ワークショップや研修の場を企画・運営している方、社内外での風土づくりや組織変革等のサポートをしている方、チームや組織のマネジメントをされている方など、人々や組織の変化をサポートする方に受講いただくことで、ご自身の大切にしている価値と場づくりのポイント・原則との繋がりを探求しながら、事前準備・雰囲気づくり・場のホールド・事後フォローなど、多様な観点からプロセスを捉え、ご自身の目的に合わせた取り組み方のイメージを再構築していただくことを目指します。
プロセス・ガーデニング実践コースの特徴=2カ月間の学習・実践
プロセス・ガーデニング実践コースは2カ月間(セッションは3日間)のプログラムです。
はじめの2日間では、情報提供や参加された皆さんとの学び合いや探求を元に、実践に向けた準備をします。
その後、はじめの2日間で行った準備を元に、それぞれの日々の仕事の中で2カ月間の実践を行います。
2ヶ月間の実践の間には、取り組みの中で生まれた気づきや疑問を対話を通して深めあい、お互いの実践を支え合う「グラウンディング」の機会を設けます。
3日目のリフレクションセッションでは、お互いの2カ月間の実践や気づきをあらためて共有し合い、ご自身の目的に合わせた「場」や「プロセス」への働きかけや支援のイメージを再構築していきます。
プログラムイメージ
1日目のテーマ
・「場」や「プロセス」とは何か、「場とプロセスを支援する」とはどういうことか、「プロセス・ガーデニングとは何か」を理解する
・プロセス・ガーデニングの実践探求①「自分がどうありたいか・何を大切にしたいか」を探求する
1日目の流れ
◆オープニング
・2日間の流れ、目的、ゴールの確認……など
◆プロセスガーデナーって何?
・私たちが支援できる機会や可能性をイメージする
・「場」とは何か、「プロセス」とは何か
・「場」と「プロセス」をサポートする「プロセス・ガーデニング」とは
……など
◆プロセス・ガーデニング実践探求①「自分自身のあり方」
・日々の中で何を大切にしてきたかを振り返る
・大切にしていきたい価値を確認する……など
◆1日目クロージング
2日目のテーマ
・プロセス・ガーデニング実践探究②「実現したい状態(ビジョン)」を探求する
・「場づくり」の考え方に基づいた、小さな工夫で大きな変化を起こすナレッジを理解する
・プロセス・ガーデニング実践探究③「場とプロセスへの働きかけ」を探求する
・今後の実践に向けた準備をする
2日目の流れ
◆オープニング
・目的、ゴールの再認識
◆プロセス・ガーデニングの実践探求②.「実現したい状態(ビジョン)」
・場やプロセスのサポートを通じて実現したい状態を考える
・「実現したい状態」に向けて私たちができること(場づくりの原則、場づくりの可能性、事例)
・お互いの大切にする価値や経験から学び合う……など
◆・プロセス・ガーデニング実践探究③「場とプロセスへの働きかけ」
・場とプロセスへの働きかけのポイントを探求
・実現したい状態に向かうための場とプロセスへの働きかけを探求する……など
◆クロージング
リフレクション・セッションのテーマ
・2ヶ月間の実践の振り返り
・プロセス・ガーデニングの実践を探究する
・自分らしいプロセス・ガーデニングを探究する
リフレクション・セッションの流れ
◆オープニング
・目的、ゴールの再認識
・1日目、2日目の学びの振り返り
◆2ヶ月間の実践の振り返り
・ポジティブ・リフレクションによる振り返りと学び合い
◆プロセス・ガーデニングの実践探究
・プロセス・ガーデニング実践に向けた探究テーマの深堀り
◆自分らしいプロセス・ガーデニングの探究
・実現したい場に向けた働きかけの再検討と実践準備
◆クロージング
プロセス・ガーデニング実践コース過去参加者の内訳
プロセス・ガーデニング実践コースにこれまで参加くださった方たち(2008年〜2024年:188人)の内訳です。企業内プラクティショナーやコンサルタント、学校関係の方など、多様な方たちが学び合い、実践に向けた探究を行っています。
受講者の声
参加者のアンケートより引用(2024年)
一週間ほど経ったいま、「プロセス・ガーデニング実践コース」のDay1/2の2日間を思い返してみてください。一言で言うと、それはご自身にとってどんな体験でしたか? そう感じたきっかけや要因には、どのようなことがあったでしょうか?
自分自身の在り方を捉え直す良い機会だったと思いました。そう感じたきっかけや要因は・・・卵の白身と黄身の話をきいて、またコース全体を経験してみてそのように思いました。コース受講前は、自分の周りの環境に対して課題を感じていましたが、まずは自分自身がどうなりたいか、どう在りたいかを理解するところが大切なポイントだということを感じたからです。
いったん普段の業務/バイアスは忘れて、組織の理想像を考え直すための体験。周りも含めてチームとしてそれなりに機能していると思っていたが、卵モデルで当日考えてみると改善の余地がありそうだったので。
一言で言うと、「プロセス・ガーデニング実践コース」のDay1/2の2日間は私にとって・・・新たな気づきの場でした。そう感じたきっかけや要因は・・・当日の構成をどのように作るかだけではなく,事前・事後あるいはハード・ソフトの様々な要素が参加者に影響を与えて場というものが成り立つことを感じました。
2日間に参加する前と後では、何か変化はありましたか? それは自分自身の内側の変化かもしれません。何かの場面や誰かの言葉を聴いたときの自分の感じ方の違いかもしれません。もしかしたら、自分の大切にしたいことへの捉え方や、具体的な自分自身の言動や人々との関わり合いに生まれた変化かもしれません。ささいな変化でも結構ですので、教えていただけますでしょうか。
心理的安全性について考えるようになりました。以前から真剣に相手の話しを聞いてはいたが、より心理的安全性を感じてもらえるためには、何が必要かと考え傾聴するときの姿勢について考え直しました。
身近にある「場」というものについて考えるようになりました。身近な環境から、ニュースで見聞きしたものなどについて、どういう場だったのかというのを想像するようになりました。
目的やゴールに向けて、上手く行かない事があっても、ゴールに近づく為の1つの「場」と思える様に意識したり、意見が異なっても「当たり前(卵の黄身が生きている)」の事と思う様に意識出来る様になった。