人材開発・組織開発を支援する「プロセス・ガーデニング」の実践探究<連載記事>
新型コロナウイルスの影響や社会的な分断が課題となったこの数年は、新たな変化やコラボレーションを生み出していくことに、社会全体でチャレンジし続けた日々だったようにも思います。
人材開発・組織開発においては、そうした変化に向き合う中で、相互作用や信頼とともに変化や成長を生み出す場づくりの重要性が、ますます高まっているようにも感じています。人材開発・組織開発に関わる人の中にも、自身や自組織が直面している課題に対し、どんな取り組みをどのような形で行うべきなのか、また、自分自身にはどのような支援ができるのか、試行錯誤を重ねられている方は多いのではないでしょうか。
ここでは、人材開発・組織開発に日々取り組まれている方にとって何かしらヒントになることを願い、ヒューマンバリューの仲間たちが人々の学習・変化・成長を支援するにあたって大切にしてきた「プロセス・ガーデニング」についてご紹介していきます。
連載一覧:プロセス・ガーデニングの実践探究
<今後の掲載予定記事>
3. 時間を味方につけてプロセスを育む ー 変化の芽を見つけ・守り・育てる
4. プロセス・ガーデニング実践のストーリー ー 直面する課題にどう向き合うか (対談予定)
連載内容:
プロセス・ガーデニングとは何か?どのように実践するのか?を考える
私たちヒューマンバリューでは、人や組織の成長・変化を支える場づくりのことを「プロセス・ガーデニング」と呼んでいます。
人材開発や組織開発を通して人や組織の成長・変化を支えるには、様々なアプローチがあります。たとえば研修やワークショップの内容、仕組みや制度づくり、トップやマネジャーからのメッセージなど、具体的で目に見える方法もあります。もちろんそれも非常に重要ですが、私たちが多くのクライアントの皆さんと人材開発や組織開発の取り組みをご一緒する中で実感しているのは、日常の様々なコミュニケーションや相互作用が行われる「場」を変えていくことが、大きな影響を生み出しているということです。この「場」を変えるための働きかけが、これからご紹介していく「プロセス・ガーデニング」です。
プロセス・ガーデニングを通して人材開発や組織開発に影響を与えられることができる人は、経営者、コンサルタント、ファシリテーター、マネジャーのように、何かしらの意思決定をしたり指示を出せるような人とは限りません。自分の組織やチームで人材開発や組織開発をしていこうと「意図を持って場に働きかけること」ができれば、役割やポジションに関わらず、誰でも大きな影響力を発揮することができます。
「プロセス・ガーデニング」は、人や組織がどのような状態にあっても、働きかけを見つけ、変化を育むことができる適用範囲の広さの反面、見えにくい形で行われていく特性から「概念はなんとなく分かるけれども、具体的には何をすることなの?どうすればできるの?」といった声をいただくこともあります。
場に影響を与えるとはどういうことなのでしょうか、何にどのような働きかけることなのでしょうか。そこではどのようなことが大切になってくるのでしょうか。このページでは、実際にプロセス・ガーデニングを実践している仲間が、プロセス・ガーデニングについて多様な側面から語っていきます。人材開発や組織開発に何らかの形で関わっているみなさんが、ご自分らしいプロセス・ガーデニング実践を育んでいくヒントになれば幸いです。
【プロセス・ガーデニングの実践探求1】プロセス・ガーデニング ー庭師の視点で、人と組織の変化を育てる(2023.1)
人材開発・組織開発に携わる人にとっては、「自社の直面している課題に、どのような取り組みを行うべきなのか」「自部署では、自分自身は、どのような支援をすればよいのか」といった、それぞれの課題に悩みながら試行錯誤されている方も多いかもしれません。本稿では、人材開発・組織開発を通して自組織に合った変化を生み出すために大切な考え方として、私たちヒューマンバリューのメンバーが礎にしている「プロセス・ガーデニング」について「支援のあり方」という側面からご紹介します。