シブヤ大学の取り組み「原宿表参道で働く人、100人集まれ!」
ヒューマンバリューが「原宿表参道で働く人、100人集まれ!」のワールド・カフェをサポートしました。2010年2月21日(日)、シブヤ大学の原宿表参道キャンパスが主催する授業「原宿表参道で働く人、100人集まれ!」が明治神宮の参集殿で開催されました。原宿表参道エリアでボランティアをされている方、会社に勤めている方、お店を経営されている方、学校に通われている方など、様々な年齢・経験・分野から約100名が参加しました。
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背景
今回の授業は、シブヤ大学で企画をされている皆さんの「せっかく原宿表参道という素敵なところで働いているのだから、お互いに知り合い、話し合う中で、もっと楽しく働けるようにしていきたい!」という想いから実施されました。
そして、原宿表参道でもっと楽しく働くアイデアを、100人がオープンに語り合う方法として「ワールド・カフェ」がよいのではないかという意見がシブヤ大学の企画をされている皆さんから出され、ヒューマンバリューに協力の依頼がありました。
お話を伺い、シブヤ大学の理念や関わる皆さんの想いに共感し、また私たちヒューマンバリューも原宿表参道で働く一員でありますので、授業の企画、運営、場づくり、ファシリテーションのご支援をさせていただくことになりました。
「原宿表参道で働く人、100人集まれ!」の場づくり
これまで開催されてきた授業では、テーマや関わるメンバーによって、使う会場や場づくりも自由に変更されてきたそうです。今回も、参加者自身が語り合い、主体的に参加していく場をどうやったら実現できるか、弊社メンバーと運営スタッフの皆さんで何度も話し合いを重ねながら場づくりやプロセスデザインを行っていきました。
オープンな話し合いができるカフェ的空間を創るために、広々とした気持ちの良い空間である明治神宮の参集殿が会場に選ばれました。
4~5名が座れる長方形のテーブルを用意し、明るい色のテーブルクロスをかけたり、リラックスして参加できるように音楽を流したりしました。また、できるだけ参加した人々がゆったりと過ごせるよう、お菓子や飲み物を準備したり、テーブルの上の小物の配置にも気を配りました。
写真にあるように、当日の朝早くから20人近いボランティアの皆さんが力を合わせて準備に取り組んだおかげで、温かで楽しそうな空間を生み出すことができました。準備に入る前に全員で丸くなって行ったチェックインでは、「参加者になるのが本当に楽しみ!」「何が始まるのかな」「参加される皆さんに楽しんでほしい!」など、様々な想いが語られていました。
授業の様子
「原宿表参道で働く人、100人集まれ!」は、オープニングのご挨拶、各テーブルでのチェックイン、3種類のお話タイム、そして各テーブルでのチェックアウトに写真撮影という構成で行われました。
(授業の詳細やシブヤ大学スタッフの方が書かれたレポート等はシブヤ大学のサイトをご参照ください。)
オープニングセッション(チェックイン)
オープニングのご挨拶では、シブヤ大学のスタッフで今回の企画に携わられた堀田さんから、シブヤ大学の活動やこのような場をもちたいと思われたご自身の想いなどが語られました。
その後、進行が弊社の長曽と高橋に委ねられ、各テーブルでのチェックインがスタートしました。「普段は話せない人と話せるのが楽しみ」「少し緊張しています」という想いを語られる人もいれば、「私、実は○○で働いていて……」という自己紹介に「え!そうなの?!」という驚きの声が上がるテーブルもありました。
お話タイム(1)つながりピクチャー
お話タイム(1)では、自分自身と原宿表参道とのつながりを表現してみよう、ということを行いました。A3の白い紙に、カラーペンで自由に絵や文字で自由にイメージを描き出しました。最初は「何を描けばよいんだろう・・・」とつぶやいていた方もいらっしゃいましたが、徐々に会場全体が集中した雰囲気に変わっていきました。写真を撮られていたスタッフの方も「私も描きたくなりました」と、ご自分のつながりピクチャーを描かれていたのも印象的でした。
その後の共有タイムでは、それぞれが描いた絵をグループ内で紹介した後、壁に貼り出して全員で共有しました。絵を眺めている人同士で「みんなアーティストだね」「こんなところあったんだ・・・」「おもしろい!」などといった会話が起こったり、ご自分の描いた絵を写真に納められている方もいて、和気あいあいとした雰囲気になってきました。
お話タイム(2)ワールド・カフェ
お話しタイム(2)では、「原宿表参道エリアで働く人たちが、もっと楽しく過ごすには?」というテーマで、ワールド・カフェによる話し合いが行われました。
すでにつながりピクチャーを描き、お互いに共有したことで、雰囲気が明るくオープンになっていたこともあり、スタートすると同時に、各テーブルでは一斉に豊かな会話が繰り広げられ、たくさんの模造紙には色とりどりのメモや絵が描かれていきました。
出会ってから1時間ほどしか経っていないのにもかかわらず、各テーブルでの話し合いは笑顔にあふれ、お互いの言葉に真剣に耳を傾けたり、落書きと落書きが次々につながっていくような光景も見られました。第1ラウンドから第2ラウンド、第3ラウンド、第4ラウンドとテーブルの移動を重ねる中で、各テーブルで語られたアイデアや想いが他花受粉され、「あっちのテーブルでも出ていました……」というようにあちこちのテーブルで同じ関心が話し合われていたことも度々共有されていました。
お話タイム(3)原宿表参道にこんなことが起きたらいいね
お話タイム(3)では、「原宿表参道にこんなことが起きたらいいね」というテーマで各グループで話し合いが行われ、紙にまとめられたグループのアイデアを全員で共有しました。
そして、貼り出されたアイデアを全員で眺めながら、感想やコメント、推進のためのアイデアなどを加えました。明日から始められそうなものもあれば、いつか実現したいこと、今まで想像もしなかったような斬新な発想まで、たくさんのアイデアが共有される中で、「これ楽しそう!」「私も参加したい!」「すごい発想・・・」といったコメントが交わされていました。
チェックアウト
チェックアウトでは、1日を終えたいまの正直な気持ち、率直な感想が各テーブルで共有されました。「あっという間だった・・・もっとゆっくりやりたい」「楽しかったけど、疲れた(笑)」「もっとたくさんの人とこういう場をもてたらよいな」「道で会ったら挨拶できる仲間が増えてうれしい」など、たくさんの感想が語られ、明るく和やかな雰囲気が会場に満ちていました。
取り組んでみての感想
このシブヤ大学の「原宿表参道で働く人、100人集まれ!」の企画、運営、場づくり、ファシリテーションを、弊社から3名のスタッフがメインで支援させていただきました。報告の最後に、その3名の取り組んでみての感想を記します。
「一人ひとりの参加者の、街への見方や想いを楽しく確認し合うことのできた場だった」というのが、「原宿表参道で働く人、100人集まれ!」の日の率直な感想です。普段は知り合えないような人達が一堂に会し、お互いの想いを共有し、自分たちが働く街の将来のアイデアを楽しく考えることができたことに、これからのまちづくりの新たな可能性を感じました。
また、当日のプログラムだけではなく準備の段階から、シブヤ大学の方や参加者の方達と、和気あいあいとご一緒できたことがとても印象的です。
新たなチャレンジでしたが、多くのことを学ばせていただき、感謝しております。
自分自身も表参道で働く一人として、参加された皆さんと同じ時間と空間を一緒に過ごすことができて、とてもよかったです。原宿表参道という場所やそこで働く人々との親近感が高まったような気がします。こうして今まで知り合わなかった人々が新たにつながるご縁を通じて、これからコミュニティとして広がっていく中で、どんな変化や価値が生み出されるのか、ますます楽しみな気持ちになりました。
最後に、シブヤ大学さんとの出会いというご縁に心から感謝いたします。
今回の取り組みでは、私は参加者として関わらせていただき、当日は、実際に表参道で働く100人のうちの1人として話し合いに加わりました。少し緊張していたのですが、すぐにリラックスした雰囲気になじみ、想像を超えて楽しい話し合いができたと思います。特に記憶に残っているのは、つながりピクチャーを書いて皆で共有する中で、自分自身の原宿・表参道の見方がだんだん変化していったことでした。絵を通して、物語で語っていただけたことで、平面に描かれた絵がだんだん立体的に変わっていったことが印象的でした。また、皆と話し合う中で、こういう場をもち続けることが未来にとって価値があるのではないかなと感じました。