世界が、クローズシステムからオープンシステムに移行する今、狭い視野に陥った私たちの思考を解き放ち、より根本的な問題解決・イノベーションにつなげる「システムシンキング」は、これからのリーダーシップに不可欠なものです。
「コーチング」が人の可能性をひらく
コーチングは、知識をもっている人がもっていない人に対して、一方的に教えるという、従来の育成側主体の対極にある、学習者主体の学習法です。 ヒューマンバリューでは、コーチングの支援を通して、働く人々が常に自分自身で選択をしている(主体感を感じている)状態を保持し、人から教えられるのではなく、自ら気づき、実践を通して学習していくことをサポートしています。
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いまこそコーチングが重要
現代は環境の変化が激しく、未来の不確実性もますます高まっています。しかし、それ以前の時代は変化の波がそれほど激しくなく、ビジネスサイクルも比較的長期で、計画通りに物事が進むことが多く、周りの誰かが正解を知っていました。そこでは、正解を知っている人がリーダーになり、指示命令で人を動かす「統制型組織」が最も効率的で、高い成果を上げることができました。組織の中では上意下達で指示・命令が下され、命令の通りに行動できるようにトレーニングが行われていました。そこに流れるマネジメント観は「道具的人間観」であり、人は機械のように何かを生み出すための道具と捉えられていたのです。
しかし、現代では、変化が激しく、未来の不確実性もますます高まっています。計画通りに仕事が進むことは少なく、体験したことのない出来事や変化に遭遇するため、誰も正解を知りません。そうした時代に、現在わかり得る適用解を見つけ出すことができるのは、常に変化に直面している現場であるといえます。つまり、上からの指示・命令で組織を動かすのではなく、なるべく一人ひとりをエンパワーメントし、その中で学習しながら答えを見つけていく必要があります。
こういった未知の状況に対応しなくてはならない組織にとって、重要な資源は知識や学習能力です。つまり、企業は常に学習し知識を生み出し続ける「学習型組織」にならざるを得ないといえます。そこに流れる人間観は道具というよりも、自ら知識を生み出していく存在として、人間の価値そのものを認めるというものです。
こうしたマネジメント観の変化に伴って、教育や人材育成に対する考え方も、決まったやり方を教えるトレーニングやティーチングから、本人の主体的な選択によって自ら学習していくコーチングへと変化しています。
コーチングのフィロソフィー
<人を成長させることはできない>
コーチングのフィロソフィーの1つ目は、「人を成長させることはできない。できるのは成長のための手助けだ」という考え方です。ガリレオは「人を教えることはできない。ただ自悟させることを手助けするにすぎない」と言っていますが、これがまさしくコーチングのフィロソフィーに当てはまるものです。
コーチングのフィロソフィーでは、コーチングを受ける人を、しばしば樹木の種子に例えます。つまり、種子がどのような樹木になるのかはその種子に内包されているのであり、決して外からの力でどんな樹木になるのかを決めることはできないということです。コーチができるのは、その人らしい樹木になり、花を咲かせることができるように、適切な時期に水を与えたり、肥料をあげることだけなのです。
<人間の可能性を信じる>
私たちは、スポーツが苦手な人を見ると「この人は生まれつき運動神経が鈍いのだろう」という仮説を立てることがあります。そして、この仮説の真偽を確かめようともせずに、それを事実だと考えて「運動神経が鈍いのだから、いくら練習をしても上達しない」と思い込み、仮説の上にさらなる仮説を構築してしまうのです。そして、このさらなる仮説も事実と決めつけ、そこから様々な判断を下してしまうのです。
こうしたことに限らず、「仕事ができる」「頭が悪い」など、私たちの周りでは、個人やチームの優劣を決める思い込みが数多くあります。こうした思い込みが人間の可能性を限定してしまうのです。コーチングのフィロソフィーでは、こうした決めつけを廃し、人間の可能性を信じることが必要になります。
たとえば、マネジャーが「上の人が指示命令などをして管理をしないと、下の人間はうまく仕事ができない」という仮説をもっていたとします。すると、そのマネジャーは無意識のうちに、細かく指示を出し、部下の行動を統制しようとします。こうした行動を取ると、部下はマネジャーが自分に不信感をもち、見張っていると思い、自分の可能性を狭められてしまったような感覚をもちます。その結果、上司の命令通りに行動することにも抵抗を覚えるかもしれません。コーチングのフィロソフィーでは、相手の可能性を信じ「自分は、価値ある人間として尊重されていて、自分の望む方向に自分で動く力をもっている」と実感してもらうことが必要になります。
ヒューマンバリューのコーチング
現在、コーチングはビジネス様々な領域で広がりを見せています。「One on Oneミーティング」は、今日のマネジャーに不可欠な要素になりつつあり、その基本的な考え方やプロセスはコーチングに基づいています。 また、企業のトップの内省を促進し、リーダーシップを高め、未来を切り拓く力を育む「エグゼクティブ・コーチング」への需要も高まっています。 あるいは、組織変革やイノベーションに取り組む上で、プロジェクト・メンバーの学習とチャレンジをサポートする「変革コーチ」の存在も重要になってきています。
ヒューマンバリューは、表面的なテクニックではなく、上述したフィロソフィーを何よりも重視し、企業におけるコーチングの展開やコーチング・カルチャーの醸成をサポートしています。
<主な取り組みやプロジェクトの例>
・One on Oneミーティングの組織的展開支援
・マネジャー対象コーチング・ワークショップの実施
・マネジャーのコーチングをサポートする「コーチング・ガイド」の開発
・エグゼクティブ・コーチングの実施
・変革プロジェクトにおけるコーチング支援
・…etc
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