世界が、クローズシステムからオープンシステムに移行する今、狭い視野に陥った私たちの思考を解き放ち、より根本的な問題解決・イノベーションにつなげる「システムシンキング」は、これからのリーダーシップに不可欠なものです。
未来を切り拓く「リビングビジョン®」
メンバー一人ひとりの当事者意識と主体性を育む「リビングビジョン®」のプログラムは、企業におけるリーダーシップ開発やキャリア開発のあり方を大きく変革しています。ここでは、その取り組みを紹介します。
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「当事者意識」と「主体性」を育む
タレント開発において、「当事者意識」や「主体性」が大きなテーマになっています。与えられたタスクを卒なくこなすのではなく、自らありたい姿を描き、その実現に向けて自ら未来を切り拓いていくリーダーシップが求められています。
「当事者意識」や「主体性」は、役割やコンピテンシーを定義し、理解させ、やらせるような「アウトサイド・イン」のアプローチでは育ちません。自分の内面を探求し、自分の目的意識をビジネスに結び付ける「インサイド・アウト」のアプローチが大切です。一人ひとりの見出した目的意識がエンジンとなり、主体性と情熱が発揮され、現場での継続的な変化と実践につながります。
「リビングビジョン®」プログラムの実施
ヒューマンバリューでは、働く一人ひとりが自分のビジョンを生き、意志をもって現実に立ち向かい、未来を切り拓いていけるような思考と行動の獲得に向けて、「リビングビジョン®」プログラムを通じてサポートを行ってきました。
本プログラムは、2006年にリリースして以来、延べ100以上の企業・組織から1万名を超える方々が受講されています。また企業によっては毎年継続して実施しており、リビングビジョンを働く一人ひとりがもつOS(オペレーティングシステム)のように位置づけて、5年以上継続している企業もあります。
<受講対象(例)>
・自律的人材へと期待されている若手・中堅社員
・仕事へのコミットメントを高め、周囲に好影響を及ぼしてもらいたいベテラン・シニア社員
・新規および難易度の高いプロジェクトやタスクを自律的に推進することが求められるプロジェクトチーム・部署(メンバー全員での受講)
基本プログラム
2日間+1日の計3日間研修
オリエンテーション資料・事前ワークの送付、オフサイト2日間、日々の実践、フォローセッション(1日)を含めて約3カ月の実践学習
※導入に当たっては、自社の状況・課題に応じてカスタマイズします。
ポイント解説(動画)
【オフサイトセッション】2日間
目的
自分の強みに気づき、その強みを生かした心から望む「最高の状態」を創造し、そこへ主体的に向かうプロセスイメージを獲得する
内容
・オープニング
・未来創造とリビングビジョン
・目的意識を探求する
・個人ビジョンの創造&共有ビジョン
・メンタルモデルを克服する=レボリューション
・ビジョンへのシナリオプランニング
・支え合い、励まし合い、育て合う
・クロージング
【フォローセッション】1日間
目的
未来を切りひらく思考と行動である『リビングビジョン』を完全に習慣化するために、
これまでを振り返り、未来を再設計し、『リビングビジョン』を本当の自分らしさにする
内容
・オープニング
・オフサイトセッションのリマインド
・2カ月間のポジティブ・リフレクション(振り返り)
・ビジョンとシナリオの再設計
・クロージング
受講者の声(フォローアンケートより)
・凝り固まった思考と毎日に、崩しと、冷静な振り返りの場を与えてくれた。
・「そもそも自分はどうしたいか」という、忘れていた問いを思い返すことができた。
・常に誠実に、正直で生きること。人や物事に関心をもって接すること。相手の目を見て話すこと。そういった基本的なことを徹底しながら、関わる人の期待を超え続けていきたい。
・俯瞰して日々を振り返ったり、事象を捉えられることが増えた。日常に感謝すること、周りに感謝したいという気持ちが増えた。今を大切にしようと思えている自分がうれしい。
・入社してから今まで業務に追われ、これからのことを考えられていませんでした。また理想ばかりに目がいっていて、現実をちゃんと受け入れていなかった。事業を通して自分ができることを本気で取り組みたい。
【3カ月間の全体プロセス】
ポイント解説(動画)
リビングビジョン®の導入例
社員の成長曲線に合わせて27歳前後の中堅社員層へ導入
入社してから仕事を通して成長してきた社員たちも、27歳前後になると、当事者意識をもって自分で考え、主体的に組織や状況に働きかけ成果を生み出す社員と、周囲に依存して受け身的な傾向となる社員に二極化する傾向があった。
そこでA社では、当事者意識を高めるという目的でリビングビジョン®を導入。当事者意識が低かった社員も、自分がここにいて日々頑張る意味を見出して主体性と自律性が高まった。当時に、当事者意識がもともと高かった社員も目的意識や実現したい世界観をさらに大きくし、働きかける領域も広げ、社内・市場への影響力を高めている。
実施期間:2009年~現在継続 | 対象人数:1グループ16名・累計1000名超 | 情報サービス会社
事業再編のタイミングでリーダークラスへ導入
B社ではマーケティング戦略の変更に伴い、事業も再編し、新たなミッションと役割を担うリーダーたちが生まれた。
その際、リビングビジョン®を導入し、自分自身の目的意識と個人的ビジョンから、新たな役割において自分が「何のために」「何を目指し」「何に取り組み」「何を生み出したいのか」を一人ひとりが自分の中から生み出し、日々試行錯誤しながら取り組んでいった。
結果、自分たちで新たなミッションと役割に沿ったアクションを生み出し、事業再編で意図したマーケットと顧客への新たな営業プロセスを創出し、顧客からの認知も転換することができた。
実施期間:2010年~2011年 | 対象人数:30名 | 人材サービス会社
顧客満足度を高める目的でセールスパーソンに導入
業界シェアを上げてきたC社では、さらなる業界での影響力を実現するために、業績の先行指標である顧客満足度を高める目的で、顧客満足度に最もインパクトが強かったセールスパーソンにリビングビジョン®を導入した。
その結果、営業活動や顧客に対する自分なりの意味づけを獲得し、顧客の期待を上回る踏み込んだ行動が全社的に高まり、売上高の業界順位が5位であったにもかかわらず、セールスパーソンに対する顧客評価は業界トップとなった。
実施期間:2006年~ 現在は社内にて内製化し継続 | 対象人数:1グループあたり16名・累計2000名超 | 製薬会社
入社1年次+入社3年次合同セッションの導入
D社では、若手の離職率が高く、成長と業績にもばらつきが多いという傾向があった。ヒアリングすると、「同期や若手のつながりが弱い」という課題が見えた。新人研修を終えてからの配属先が全国の拠点に分散されるため、励まし合う同期や若手との関係が弱く、困難な状況を乗り越えるだけのモチベーションや意志力が維持できないことが多いとわかった。
そこで、約6カ月間の新人研修の後半に、入社3年次のメンバーと合同でリビングビジョン®を導入した。
お互いが大事にしたいことやビジョンを共有し合ったことから、拠点を超えて励まし合う関係が成立し、また3年次も困難な状況や課題を通して成長してきた自分を再確認し、あらためて働く目的と個人ビジョンを生み出していった。
結果、若手の定着率も上がり、突出した業績を生み出す若手が複数生まれたり、若手全体としての成長と業績も大きく向上していった。
実施期間:2009年~現在継続 | 対象人数:1回あたり24名・累計100名超 | 製薬会社
組織変革・イノベーションの取り組み継続ために導入
E社では、さらなる価値創造に向けた変革・イノベーションを生み出すために、部長・マネジャー層にリーダーシップ・ジャーニー®を導入した。
その翌年度以降は、変革・イノベーションの実践当事者となるリーダー層と中堅層にリビングビジョン®を導入。
それ以降毎年、一定の割合の社員がリビングビジョン®に取り組むことで、過去に取り組んできた社員も継続的に取り組むようになった。その結果、現場での協働も生まれ、変革・イノベーションの取り組みに組織全体として継続性が生まれ、新たなサービスの創出と業績向上をもたらしている。
実施期間:2011年~現在継続 | 対象人数:累計300名超 | 情報サービス会社
地域活性に向けたイノベーション創出に向けて全社員導入
北関東を拠点とするF社では、初年度にリーダーシップ・ジャーニー®を社長以下マネジャーまでに導入。その際、生み出された共有ビジョンは、「自分たちの事業を通して地域を活性化し、北関東発の地域活性のあり方を日本に広げる」というものだった。
翌年度は、この取り組みを加速するために、リビングビジョン®を全社員に導入した。
その年は震災の影響もあったが、それを乗り越える取り組みを生み出し、震災前に設定した全社売上目標にあと200万円というところまで到達した。その翌年度はさらに新たな事業も創造され、業績をさらに伸長することができ、全社員で「ハワイで乾杯」というビジョンの象徴的シーンを現実化した。
実施期間:2010年~2012年 | 対象人数:150名 | 総合サービス会社
ポイント解説(動画)
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