学習する組織の構築支援

ピーター・センゲらが提唱した「ラーニング・オーガニゼーション(学習する組織)」の考え方は、今では変化の時代に価値やイノベーションを生み出す企業経営のOS(オペレーティング・システム)であるといえます。ヒューマンバリューは、20年以上の研究・実践に基づいて、「学習する組織」に基づいた組織変革をサポートしています。

関連するキーワード

不確実な時代におけるマネジメントの前提条件

企業を取り巻く環境の急激な変化によって、これまで成功してきたマネジメントの考え方や問題解決のアプローチが通用しなくなってきた状況下、MIT(マサチューセッツ工科大学)のピーター・センゲ氏が1990年に著した”The Fifth Discipline(学習する組織)”が、米国でベストセラーとなり、世界的に大きな注目を集めました。以来、学習する組織に関する研究や実践が世界規模で進められてきました。そして、世界の不確実性がより一層高まっている現在において、学習する組織の考え方はより重要性を増し、より良いマネジメントの基本的な前提条件として位置づけられるようになっています。

学習する組織づくりのポイント

学習する組織とは、「自己マスタリー」「共有ビジョン」「チーム学習」「メンタルモデル」「システムシンキング」の5つのディシプリンをもとに継続的な省察的実践を通して、組織のあらゆるレベルでの「学習」を促進し、未来を創り出す能力を高め続ける経営手法です。ここで言う「学習」とは、環境変化に適応して、新たな価値観、考え方、知識、技術、行動などを生み出すことです。
ヒューマンバリューでは、日本における「学習する組織」づくりの黎明期から研究と実践を続けてきました。私たちは、そうした経験から、学習する組織を築いていく上で、以下に示す3つのポイントを特に重視してサポートを行っています。

1.一人ひとりが目的意識を考え、想いを高める

組織で働く一人ひとりがどんな価値観、志、想いなどを大切にしながら仕事に取り組んでいるかを考える場をつくることが重要です。
なぜなら、仕事を通してどんなときに幸福感や満足感を得るのかを考え、定期的に確認し続けることで、働きがいの源である目的意識を発見し、育むことができるからです。また、一人ひとりの目的意識が組織の中で互いに共有されることで、相互作用が高まり、状況変化に対する
組織の適応力の高さを示す指標のひとつであるレジリエンスも高まります。

2.関係者を巻き込み、オープンな対話を通して相互に学び合う

複雑性の高い問題を解決をするにあたっては、関係する当事者が一堂に会し、オープンに対話を行うことが重要です。なぜなら、必要な当事者が集まり、多面的な見方による話し合いを通じて、全体最適を踏まえた検討や意思決定がしやすくなるとともに、今まで思いつかなかったようなアイデアや考えが創発することもあります。そこで、問題に直面したときは、誰と一緒に話し合うのがよいかを考え、一部の人で閉じることなく、部署や役割を超えて必要な人々を巻き込むことが大切です。

3.小さな変化を育み続ける

できていないこと、不足していることばかりに目を向けるのではなく、小さくても望ましい方向に変化していることやその影響要因に目を向けて、その変化がさらに広がるように状況をつくり出す支援を継続することが重要です。なぜなら、複雑性の高い問題は、その問題の原因と結果の相互影響関係が捉えづらいため、試行錯誤のプロセスを通じて、修正や改善を重ねながら、より妥当性の高い解決策を導き出す必要があるからです。また、不足点よりも可能性に着目した仕事の仕方のほうが、人々のエンゲージメントの向上にもプラスに寄与し、結果的に成果も高まります。

ヒューマンバリューによる学習する組織づくりの支援プロセス

ヒューマンバリューは、様々なプロセスを通じて学習する組織づくりを支援しています。代表的なプロセスとして、以下の7つをご紹介します。実際は、クライアントの皆さまの実現したい状態や現状を踏まえた上で、適切なプロセスをデザインしながら協働して推進していきます。

1.リーダーシップ・ジャーニー

マネジメント・イノベーションを推進するリーダーを育成するアクションラーニング型の実践プログラムです。実現したいビジョンに向けて、学習する組織の5つのディシプリンについて体系的に学習するとともに、自組織での実践を通じて、リアルな変革を推進していきます。

2.リビング・ビジョン

働く人々の当事者意識や主体性を高め、個人が本来もっている創造性や情熱を解放する自己変革プログラムです。学習する組織の自己マスタリーやメンタルモデルのディシプリンに重点を置いて学習し、職場で実践していきます。

3.ホールシステム・アプローチ

組織の上下や横の垣根を取り払い、関係者全員で話し合いを行うことで、組織の文化を変え、未来に向けた変革を行うダイナミックでエネルギーに満ちた対話の場をデザインし、ファシリテートします。

4.Ocapi(組織変革プロセス指標)による変革モニタリング

チームや組織の「関係の質」「思考の質」「行動の質」「結果の質」で構成される「成功の循環」の現状について、自分たちで継続的にモニタリングと振り返りを行い、より良い循環を促進するための検討の対話を行うツールとプロセスです。

5.パフォーマンス・マネジメントの変革

組織のパフォーマンス向上のブレーキとなっている既存のパフォーマンス・マネジメントのあり方(たとえば、人事評価制度など)に関して、「手続き・制度・ツール」「戦略・カルチャー・マインドセット」「人・組織と社会の哲学」の3層の観点で整合性を図りながら推進する、組織変革のコンサルティングや学習プログラムです。

6.組織変革プロセスファシリテーター養成コース

企業・組織の内外から組織変革のプロセスをファシリテートする方を対象としています。人々の主体性と創造性、そして情熱を解放し、自己組織化を育むことによって推進する組織変革のプロセスファシリテーターとしてのあり方、世界観、思考方法を、より深い内省とインタラクション(相互作用)を通して探求を深め、自分自身の Be を確立することを目的としたコースです。

7.学習する組織勉強会

学習する組織の5つのディシプリンの背景や意味をひもときながら、実践の準備に向けた知識として習得する勉強会です。

関連するイベント・セミナー

イベント
セミナー

受付中

組織変革プロセス・ファシリテーター養成コース(2025年)

  • 2025年10月9日(木)〜11日(土)、12月10日(水)
  • セッション:佐島マリーナ
    リフレクションセッション:ヒューマンバリュー半蔵門オフィス

本コースは、人々の主体性と創造性と情熱を解放し、自己組織化を育む組織変革プロセスファシリテーターとしてのあり方や世界観、思考方法を、深い内省と相互作用を通して探求するアドバンスコースです。

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プロセス・ガーデニング実践コース(2025年)

  • 2025年6月19日(木)〜20日(金)、8月22日(金)
  • ヒューマンバリュー半蔵門オフィス

本コースでは、人や組織の変化や成長を支える場づくり(プロセス・ガーデニング)の実践を学び、「場やプロセスに影響を与える振る舞い方」や、「場やプロセスをデザインし、創っていく力」を高めます。

今年度はリアルな場での場づくりが増えてきていることを鑑みて、人が集う意味を考える機会としてリアルでの開催といたします。リフレクションセッションでは、オンラインでの場づくりや対話の可能性を探求する機会として、リアルとオンラインのハイブリッドでの実施を予定しております。

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AIプラクティショナー養成コース(2025年)

  • 2025年5月29日(木)〜30日(金)、7月30日(水)
  • ヒューマンバリュー半蔵門オフィス

本コースでは、個人や組織の強みと価値を最大限に活かすAIの哲学・理論、メソドロジー(方法論)を体験的に理解し、AIを活用したレディネスやフォローも含めた変革プロセス全体をデザインし、実践する力を育みます

関連する取り組み

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ステークホルダー全員で生み出す変革支援

一部の人だけではなく、ステークホルダー全員が参加して変革を推進する「ホールシステム・アプローチ」は、組織変革の主流のアプローチとなっています。 ヒューマンバリューでは、多様な方法論を活用しながら、全員参加の変革を支援しています。

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アジャイルなチーム運営手法『チームステアリング』

組織はいま、急激な変化に耐えて、新しい価値を生み出させる文化とシステムを獲得することが迫られています。それを実現するには、その基盤として、今までの習慣を打破した、これまでとは異なるマネジメントやコミュニケーションの技法を修練する必要があります。
『チームステアリング』は、チームメンバー一人ひとりの力(強みや価値)を解放し、コラボレーションしながら、柔軟に素早く成果を生み出し続けるためのチーム運営手法です。従来型のミーティングやコミュニケーション方法を進化させることで、組織の文化をより創造的で働きがいのあるものに変え、外的な環境変化を敏感に察知し、スピードの早い柔軟な対応を可能にする「アジャイル(俊敏な)」な組織文化を生み出します。

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組織文化(カルチャー)の変革

変化が常態化した現在において、企業のカルチャーこそが、未来への価値創造の源泉となるという認識が広がってきています。ヒューマンバリューでは、長年に渡ってカルチャーの変革の原理とアプローチを探求し、企業での実践をサポートし続けています。

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地域活性・市民参加

本当の意味での「地方創成」は、その地域に生き、関わる一人ひとりの市民参加を通してこそ実現が可能となります。ヒューマンバリューでは、多くの市民・ステークホルダー(影響関係者)が共創的に価値を生み出す場とプロセスの構築を支援し、適切な市民参加による民主主義が社会に根づくところに貢献しています。

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場づくりで組織を変革する(プロセス・ガーデニング)

近年、人材開発や組織変革の取り組みにおいて、人々の相互作用の中から主体的な変化を生み出し継続するための「場づくり」の重要性が高まっています。ヒューマンバリューでは、多様な人々がオープンに話し合う中で関係性を高めながら、知識やアイデア、新たなアクションが生み出されるような「場」と、取り組み全体を通して変化を育む「プロセス」に働きかける「場づくり」を「プロセス・ガーデニング」と位置づけ、人や組織の変化と成長を支援しています。

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人と組織のエージェンシーを醸成し、組織にアジャイル(俊敏)を獲得する

ヒューマンバリューでは、人や組織の「エージェンシー」を醸成し、組織にアジャイル(俊敏)を獲得するプロセスを支援しています。

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経営チームの変革

企業経営を取り巻く状況の複雑性が高まり、予測不能な激しい変化の波を受ける中で、経営層が1つのチームとしてコミュニケーションが取れていない、動いていない状態では、企業の価値創造を行うことは難しいでしょう。 経営層は今を守るだけでなく、目指すべき方向を定めつつ、新しい事業を生み出し続ける必要があります。ヒューマンバリューでは、役員や経営陣が個々の総和を越えた力を生み出し、1つのチームとしての新たな関係性や役割と行動力を獲得するためのオフサイト・ダイアログ合宿をサポートします。

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社員が推進する自律的変革の支援 ~「未来共創ミーティング」

近年は、個人に働きかける「人材開発」を超えて、組織的・集合的に成果を生み出す「組織開発」への注目が高まっています。今日の組織開発において、どのようなアプローチが求められるでしょうか。ヒューマンバリューでは、第三者による「診断・介入」的なアプローチではなく、社員が進める「自律型」のアプローチで推進することをレバレッジと捉え、組織開発を支援しています。

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