株式会社ヒューマンバリュー 主任研究員 川口 大輔 システム思考は、複雑な問題の本質を理解し、長期的な視野から変革やイノベーションを生み出していく考え方であり、社会課題にあふれた現代に生きる私たちに必須の思考法です。 ヒューマンバリューでは、これまで長年にわたりビジネスパーソンに対してシステム思考を広げる取り組みを行い続けてきましたが、今回、東京都立日比谷高等学校の生徒19名に対して、システム思考を学習する場を提供する機会に恵まれました。 本レポートでは、その場から得られた気づきやインサイトを振り返りながら、未来を担う次世代リーダーが、若いうちからシステム思考に触れ、意図的に高めていくことの意義や可能性について考えてみたいと思います。
インサイトレポート
そのときどきのトピックについて、ヒューマンバリューのメンバーがまとめた雑誌掲載記事などの考察をご覧いただけます。
2024.11.05インサイトレポート
次世代リーダーシップ創造に向けたシステム思考学習の可能性〜東京都立日比谷高等学校における実践から考える〜
2024.08.28インサイトレポート
【Rethink -組織開発を再考する対話会 実施レポート】第4回:OSTの体験から、自律分散・自己組織化型の変革を考える
【Rethink:組織開発を再考する対話会】の第4回目を、2024年7月9日(火)にオンラインで実施しました。今回のテーマは、「OSTの体験から、自律分散・自己組織化型の変革を考える」でした。本レポートでは、対話会当日の様子や参加者の皆さま同士の対話から生まれた気づきをご紹介できればと思います。
2024.07.10GROW THE PIEの探究
編集後記:ビジネスパラダイムの革新に向けて、私たちにできること
ここまで5編にわたり、『GROW THE PIE』をお読みいただいた山口周氏のインタビューを掲載しました。ビジネスのあり方を考察し続けてきた山口さんとの対話は、日本企業の現在地をクリティカルに見つめ直す機会になり、GROW THE PIEの実践に向けて様々な気づきがありました。 最後に、編集後記として、インタビューの感想を交えながら、ビジネスパラダイムの革新に向けて私たちにできることは何か、現在の想いを共有したいと思います。 Index - 一人ひとりが自らの感性を解き放つことから… - 概念矛盾を乗り越える、対話のエコシステムを創造する - バウンダリーを越えて、パイを広げる
2024.07.10GROW THE PIEの探究
パイの拡大を導く、リーダーの思考様式と在り方とは(ビジネスパラダイムの再考 vol.5)
アレックス・エドマンズ氏の『GROW THE PIE』を読まれた独立研究家の山口周氏に、書籍の感想とともに、これからのビジネスパラダイムについてインタビューを行しました。(山口周氏 Interview Series) 本記事は、そのVol. 5となります。 今回は、パイの拡大や持続可能な社会の実現に向けて、企業リーダーにとって大切となる思考様式や在り方について語っていただきます。 Index - システム思考が、全体のパイを広げていく - 日本に覆われている、空間軸と時間軸の透明なカーテン - 次世代へと社会をつなぐ“人間”で在ること 聞き手:ヒューマンバリュー 霜山、菊地、内山 話し手:山口 周氏
2024.07.10GROW THE PIEの探究
日本企業のパーパス経営を問い直す(ビジネスパラダイムの再考 vol.4)
アレックス・エドマンズ氏の『GROW THE PIE』を読まれた山口周氏に、書籍の感想とともに、これからのビジネスパラダイムを探究するインタビューを行いました。(山口周氏 Interview Series) 本記事は、そのVol. 4となります。 前回は、ビジネスにおけるヒューマニティの重要性を語っていただきました。 今回は「パーパス経営」を切り口にして、企業経営のあり方を考えていきます。 Index - 企業がパーパスを掲げるとは、どういうことか - パーパスが新たな問題を生成し、新たなパイの起点となる - パーパスと事業のねじれ、概念矛盾を乗り越える - 大胆な戦略策定が、未来のパイを広げてゆく 聞き手:ヒューマンバリュー 霜山、菊地、内山 話し手:山口 周氏
2024.05.08GROW THE PIEの探究
ビジネスにヒューマニティを取り戻す(ビジネスパラダイムの再考 vol.3)
アレックス・エドマンズ氏の『GROW THE PIE』を読まれた山口周氏に、書籍の感想とともに、これからのビジネスパラダイムを探究するインタビューを行いました。(山口周氏 Interview Series) 本記事は、そのVol. 3となります。 前回語られた、日本社会や日本企業の課題。 それらを乗り越えるために、ビジネスはどんなアプローチを取るべきか、どのように取り組むべきかについて、語っていただきます。 Index - 新たな価値創造は、「問題をつくる」ことから - 旅と多動が、人の創造性を引き出す - 革新的な事業は、遊びから生まれる 聞き手:ヒューマンバリュー 霜山、菊地、内山 話し手:山口 周氏
2024.05.08GROW THE PIEの探究
社会課題を乗り越える、ビジネスパラダイムを問い直す 〜 山口周氏は、『GROW THE PIE』をどう読んだか 〜
2024.05.08GROW THE PIEの探究
経済とビジネスの前提から、企業のあり方を問い直す(ビジネスパラダイムの再考 vol.1)
アレックス・エドマンズ氏の『GROW THE PIE』を読まれた山口周氏に、書籍の感想とともに、これからのビジネスパラダイムを探究するインタビューを行いました。(山口周氏 Interview Series) 本記事は、そのVol. 1となります。 まず最初に、書籍の感想も交えて、これからの経済や企業のあり方について語っていただきました。 Index - 社会価値と経済価値を統合する、パイ拡大のビジネスアプローチ - 社会やビジネスが目指す「成長」を再定義する - 社会における企業のあり方を再考する 聞き手:ヒューマンバリュー 霜山、菊地、内山 話し手:山口 周氏
2024.05.08GROW THE PIEの探究
日本社会の課題に向き合う(ビジネスパラダイムの再考 vol.2)
アレックス・エドマンズ氏の『GROW THE PIE』を読まれた山口周氏に、書籍の感想とともに、これからのビジネスパラダイムを探究するインタビューを行いました。(山口周氏 Interview Series) 本記事は、そのVol. 2となります。 前記事で語られた、これからの経済・企業のあり方。 それらを踏まえ、今日の日本社会や日本企業に起きている課題について、語っていただきます。 Index - 既存顧客と既存市場への対応に、リソースを取られる日本企業 - 自ら軌道修正するのが困難になっている組織 - 逸脱者を許さない権威主義 聞き手:ヒューマンバリュー 霜山、菊地、内山 話し手:山口 周氏
2024.04.23組織開発
組織開発を再考する<第4回>オープン・スペース・テクノロジーの現代における意味を考える〜自己組織化の学習フィールドとしてのOST〜
株式会社ヒューマンバリュー 取締役主任研究員 川口 大輔 2024年3月、組織開発の大家であるハリソン・オーエン氏がご逝去されました。オーエン氏は、対話型組織開発の代表的な方法論の1つである「オープン・スペース・テクノロジー(OST)」の創始者として知られています。 OSTは、数人から数千人までの人々が自己組織化して、複雑な課題解決に取り組むことを可能にするラージスケール・ミーティングの手法として、世界各国で活用され、組織・コミュニティ開発の領域において大きなインパクトを生み出しています。 ヒューマンバリューもオーエン氏との交流からたくさんのことを学ばせていただきました。今から20年ほど前、ワシントン郊外のポトマックにあるご自宅にお伺いし、対話を重ねたこと、そして日本に氏を招聘し、日本の実践家の皆さまと学びを深めたことが昨日のように思い返されます。 オーエン氏が亡くなった今、OSTとは何であったのかをあらためて自問しています。オーエン氏が晩年に書かれた著作を読むと、氏がOSTを一時的なイベントやミーティングの手法に限定するのではなく、日常の習慣やリーダーシップを解放するスピリットとして、その可能性を広げることを模索されていたことが伝わってきます。 そしてそれは、今私たちがまさに目指しているものと言えるかもしれません。 近年では、激しい変化に対応すべく、従来の中央集権型・計画統制型の組織構造から脱却し、自律分散・自己組織化型への変革が組織や社会に求められており、ティール組織、ホラクラシー、アジャイルなど様々な哲学・思想・手法の試みが進んでいます。 しかし、その一方で変革は簡単なものではありません。働く一人ひとりが管理・統制のマネジメントやビジネスのやり方にあまりにも慣れすぎてしまって、自己組織化がどんなものなのかのイメージが想像できず、新しいやり方を導入しても揺り戻しが起こってしまうということも多いようです。 そうした世界観の違いを乗り越えていくためには、まず私たち自身が自己組織化とはどのように起こるのかを当事者となって体感していくことが不可欠です。OST自体は複雑な問題を集合的に解決するための方法論ですが、そこから転じて、今の時代に必要な自己組織化の振る舞いを学ぶラーニング・フィールドともなり得る可能性があります。 そこで、組織開発のあり方を再考する連載である本稿の第4回は、OSTに今一度焦点を当てます。OSTが生まれた起源に立ち返り、その原理原則の価値を再考しながら、OSTの体験が、自律分散型の組織文化や社会づくりにどのように貢献していくのかを探っていきたいと思います。