Eラーニング

スピード無制限:ブレンデッド・ラーニング戦略を導く6つの標識

あなたは工事中の標識に直面していませんか?ブレンデッド・ラーニングにたどりつこうとしても、地図がないのではありませんか?我々は地理的に散らばったクライアントへのブレンデッド・ラーニング・ソリューションの経験を共有します。我々はウェブカンファレンス、オンライン・コミュニティ、ユーザー・ツー・ユーザー・ラーニングなどを用いてコストを削減しつつ、トレーニングの時間を増やすことができました。このセッションでは以下の観点について議論します。

・適した学習を適時クライアントに届けるという旅において、スピードアップもしくはスローダウンする術
・道中解決しなくてはならないチャレンジ

関連するキーワード

概要

商品を使う顧客を対象としたブレンデッド・ラーニングのケーススタディを取り扱ったセッション。200人程度入る会場の3割ほどしか埋まっていなかったが、その分受講者がセッションの途中で思い思いに質問できた。

内容

本セッションのゴール

予算やスタッフの数に関係なく、あなたのトレーニングチームのインパクトを増大させる。

Solucient(会社)の説明

病院向けの財務、マーケティングデータ解析ソフトを製作販売している。顧客である病院のアドミニストレーターへの製品知識のトレーニングを、従来までマニュアルを渡しているだけであったが、今回はブレンデッド・ラーニングで行った。

トレーニングチームの紹介

・デザイン・チーム
・デリバリー・チーム(×2)
・E-Collaborationチーム
Online Community Manager
Web Conference Manager

ビジネスにおける問題点

・様々な地域に点在する顧客
・トレーニングを受ける時間の違い
・削減された予算
・より多くの製品(×3)と顧客

戦略

以下のマトリクスを戦略の柱とした。

1.トレーニングの範囲の延長

Web Conference(WebExのソフトを用いた同期型学習)
これまで教育していなかった商品を同期型学習にて教える。また、それに伴いクラスルームでのトレーニングの時間を削減した。その際の注意点としてはトレーニングを短く(15分~90分)するなどが挙げられる。

結果:

・クラスルームセッションの61%削減
・32%のコースの増加
・コースを受講した顧客の増加(300%増)

2.ボリュームの増大

他のコンテンツサプライヤーとのCollaboration
他のコンテンツサプライヤーとからの教材を導入することにより、コース数の増大を目指した。

結果:

・25%のコースは外注化された。
・コンテンツ・サポート
・コールが60%減少した。

3.顧客へのエンパワー

顧客が自主的に学習できるようオンライン・コミュニティの形成を促進する。
コミュニティ形成はYahooのフリー・ソフト上で行われ、主にジョブ・エイド(マニュアル)では解決できない問題を中心に2カ月から2年の間、顧客同士で議論が進められた。その際必ずCommunity Mayorなるリーダーを置いた。
コミュニティを形成するにあたっての注意点は、最初は小さなグループから始めることなどが挙げられた。

結果:

・データベースに5000ものメッセージが蓄積された。
・顧客の90%が参加した。

4.トレーニングのスピードの管理

どのようにスピードアップしたか

・Reduce
・Reuse
・Recycle

どのようにスローダウンしたか

・Stop
・Look
・Listen

所見

ブレンデッド・ラーニングの事例はそれぞれの切り口があり、まだ体系的に整理されておらず、各自が独自のフレームを試行錯誤しながら扱っている段階という印象を受けた。ブレンデッド・ラーニングの体系化を目指す上でも、今後はますます効果測定が重要な意味を持ってくると感じた。


カンファレンスセッションの紹介:Tech Learn2001年
Stacey Howe, Solucient

私たちは人・組織・社会によりそいながらより良い社会を実現するための研究活動、人や企業文化の変革支援を行っています。

関連するレポート

誰の組織?-公共哲学における集合的意思決定

2021.12.17インサイトレポート

アジャイルな組織づくりとITインフラ課題

2021.10.11インサイトレポート

自律分散型組織のさまざまなモデル

2021.09.24インサイトレポート

プロセスガーデナー 清成勇一 次世代の組織運営として、自律分散型・自己組織化・アジャイルなどのエッセンスを取り入れた組織形態・運営が、全世界で今なお進化し続けています。 筆者は、学生時代に「学習する組織」という理論に出会い、そこに管理・コントロールを主体とした組織運営ではなく、一人ひとりの主体性と情熱が発揮される組織運営の可能性を感じ、学習する組織づくりを実践しているヒューマンバリュー社に入社

Web労政時報 第7回:経営陣と共に未来を創造する~これからの人事・人材開発の役割として大切なこと~(全12回)

2015.07.24インサイトレポート

ブレンデッド・ラーニング(どのように人は学ぶか)

2011.11.01インサイトレポート

カンファレンスセッションの紹介:Tech Learn2001年

すべてのマネジャーがLearning2.0について知らなくてはいけないこと

2010.07.13インサイトレポート

eラーニング2.0時代の到来~新たな学習のあり方の模索~

2008.11.14インサイトレポート

第1章:Eラーニングの現状と今後の展望

2007.09.28インサイトレポート

第2章:Eラーニングとは?

2007.09.28インサイトレポート

Eラーニングという言葉が米国で登場して以来、約4年が経とうとしている。その間、Eラーニングという言葉は世界中に広まり、Eラーニングの導入は加速度的に進展している。米国では既に60%の企業が何らかの形でEラーニングを導入しているとの発表もあり、米国においては、もはやEラーニングを活用することは企業にとって当たり前であるという認識が広がっている。また日本においても2002年7月に開催されたEラーニング

第5章:学習型組織の構築におけるEラーニングの位置づけ

2007.09.28インサイトレポート

Eラーニングを導入しさえすれば本当に学習型組織というものは実現できるのだろうか? 学習型組織というものは単に、最新の情報をブラウザを通して常に見ることができれば、あるいは既存のノウハウをデジタル技術を用いてナレッジ化し、全社に展開することができれば成立するものなのであろうか? このような疑問に答えるために、最後の章ではこれからの組織のあり方としての「学習型組織」とはどのようなものかということを解説

もっと見る