Eラーニング:ウォールストリートからの視点
ウォールストリートのEラーニングの展望がますます我々の展望を形成するようになっています。4人のリーディングアナリストがパネルディスカッションを行うこのセッションにて、展望を理解するうえで必要な5つの論点を見つけることができるでしょう。
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パネルディスカッション
ベンダー評価
もしあなたがベンダーの安定性を評価するなら、どのような視点で評価しますか?
・ 最も簡単で良い方法としては、まずそのベンダーを実際に使っている顧客と話をしてみてどのようなサービスが行われているか実体を見ることあげられるでしょう。
・ 公共ではなかなかベンダーの財務状況を知ることは難しい。だから、その会社の新しいテクノロジーに注目するのがよいでしょう。そのベンダーが継続的に新製品を出しているか、新製品に投資をしつづけているかという、新製品の果たす役割を見るのが良いでしょう。
・財務的な展望を見ること。
・ベンダーのシニアマネージャーと、彼らのバリュー・プロポジションは何なのか、財務的な展望はどうなのかといった点を話すことが良いでしょう。また、それ以外にも、顧客や、競合他社、または従業員などさまざまな人の意見も聞くべきでしょう。
ビジネスモデル
次にEラーニングのビジネスモデルについてお聞きします。これまでも、ソフトウェアカンパニー、トレーニングカンパニーという風にさまざまな形態がありましたが、今後はどのようなビジネスモデルが競争力を強くするでしょう?
・ 今後は、現段階の次のステップとして、オラクル、SAP、People SoftといったERPベンダーに代表されるようなエンタープライズソフトウエアを提供するカンパニーが出てくるでしょう。
・ 別の視点としては、出版業界も入り込んでくると思います。
ライブラリコンテンツ
ウォールストリートはライブラリー・コンテンツをどのように評価しますか?
・投資家は、いくつのコンテンツまたは何時間のコンテンツを持っているかといったナンバーに依存しています。その意味で、いくつのコンテンツを持っていて、それがこれぐらいの時間ならば、どれぐらいの価値があるかといったことをはっきりさせる必要があるでしょう。
・ウォールストリートはライブラリー・コンテンツをあまり注意していません。ただコンテンツ・バイヤーの視点から見ているだけです。さまざまなことが言えますが、バイヤーはライブラリー・コンテンツをまずサイズで評価し、次に価格で評価し、最後に品質で評価します。実際に品質の評価は非常に大変で、75のコンテンツの中に1つか2つ良いコンテンツが含まれているものをどう評価していいのか難しいところです。
ビッグビジネス
次にくるEラーニングのビッグビジネスは何だと考えていますか?
・ハイクオリティのコンテンツが求められてくるでしょう。
・ モバイルアクセスも1つの成長領域だと考えられます。
・ ハイクオリティのコンテンツの話の続きで、人々がどのように学ぶかということに非常に関連のあるシミュレーションも間違いなく成長領域となるでしょう。
・新しいところでは、LCMS(ラーニング・コンテンツ・マネジメント・システム)が挙げられるでしょう。これもコンテンツに関連した話で、LCMSというテクノロジーにより、企業が独自のコンテンツを管理することを実現するでしょう。
・ 学習を新しい段階へとステップさせる、ライブEラーニングなどの、コミュニケーションプラットフォームが伸びるでしょう。またコミュニケーションプラットフォームも単独で用いられるのではなく、LMSなどと統合されていくでしょう。
マーケットサーベイ
Eラーニングのマーケットサーベイはどうでしょうか?
・ ひとつの要素として挙げられるのは今後も合併が続くでしょう。Eラーニング企業はますます、ひとつのソリューションではなく、幅広い選択肢を提供できることが課題となっています。
ストラテジー
Eラーニングカンパニーに戦略を提案するとしたら?
・ あまりにもラーニングのエンタープライズ化への道を押し進めすぎないほうがいいでしょう。
・テクノロジーのみにフォーカスするのではなくて、サービスにフォーカスしたほうがいいでしょう。
・自社のコアコンピテンシーにより注力したほうがよいでしょう。
ミリオンダラー・コントラクト
昨年、今年、そして来年、どれぐらいのミリオンダラー・コントラクトが生まれた、あるいは生まれるでしょう?またミリオンダラー・コントラクトを生むにはどういった要素が必要でしょうか?
・ 2000年は30と少々、2001年は25~30の間、2002年はもう少し少なくなるかもしれません。
・ ミリオンダラー・コントラクトをとるのに必要なのは:
– カスタマーのサイズ
– ワンサイドのソリューションではなく、統合的なソリューション
– エンタープライズワイドなソリューションの提供 などが
挙げられるでしょう。
ROI
どのようにEラーニングにおけるROIを把握すればよいでしょうか?
・カンパニーが本当は何に関心があるか、何を成し遂げたらヒーローとなれるか、そのために必要なアプリケーションは、またベンダーはといったところをまず理解する必要があると思います。
所見
本カンファレンス全体を通しての1つのテーマとして、「コンテンツの品質志向」が挙げられるように思うが、このパネルディスカッションにおいても、シミュレーションが取り上げられるなど、今後ますますコンテンツの高品質化が進むだろうという予想が強くなった。
カンファレンスセッションの紹介:On Line Learning2001年
Bill Clinton