Eラーニングの顔を塗りかえる
もうそれは既に30年前からあったが、Eラーニングはとうとう人気が出てきた。我々もやっと乗り込もうとした時、我々は何をしているのか既に考え直す時間になってしまったのか。その答えは「イエス」である。我々は全部を変える必要はないが、先にある機会を見てそれに従って調整する必要がある。オンラインコースの信用性から学習への新しいアプローチを包含するより幅広い観点へ、伝統的に社員にフォーカスすることから社員だけでなく、顧客、パートナー、業者をも包含することへ、Eラーニングは日毎に変化している。何が人気があって、何がそうでないのか。教室でのトレーニングはどうEラーニングを強化するのか。ワイヤレス(無線)テクノロジーはどう我々の学習方法の性質を変えていくのか。この人気のあるセッションで1人の産業エキスパートが新しいトレンドやアプローチについて、またそれらの用意をするために我々がすべきことについて論じる。
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概要(参加者の人数など)
開始当初7割くらいの人数が、20分経過時にはほぼ満席になっていた。
他会場のEラーニングのセッションに参加していた人たちが、こちらに来たようである。
内容
現在のEラーニングは70%がまだ完了していない。Eラーニングはまだまだ学習者にとっては退屈なものであったり、作業途中に邪魔が入ることで中断されたりする。ビジネスにおいて邪魔されない環境を整えるのは、本人の努力よりマネジメント領域に関わる問題。70%は未完成といっても、Eラーニングが失敗しているわけではない。では、どのような変化が起きているのか…。
Eラーニングの変化を8つの分野で捉えてみると、以下のようになる。
1.E-トレーニングを越えること
2.ナレッジ・マネジメントの上昇
3.コミュニティの出現
4.ビルディング・ラーニング・アーキテクチャー
5.リーダーシップと変更の新しい視界
6.成功の新しい定義
7.顧客サイドで考える
8.戦略の重要性
E-トレーニングを越えること
ブレンディング・ラーニングはオンラインとの融合。オンラインは急な変化にも対応でき、誰でも使えるブラウザを使用することで、多くの人がアクセスできる環境にある。今までは「Eラーニング=Eトレーニング」と考えられてきたが、イコールではない。
現在のEラーニングは、ナレッジ・マネジメント、パフォーマンスサポート、トレーニングナレッジコミュニティ、Eメンタリングコーチングの融合が求められてきている。
【事例紹介】ホームデポ、ピュリナ(ペット商品)、NOKIA
ナレッジ・マネジメントの上昇
ネット上のあふれたデータの中から、本当に必要な情報を見つけることは困難となっている。
情報を人々が消化し蓄積される、それがナレッジとなる。単なるインフォメーションではなく、価値ある情報。
KMの3段階レベル
レベル1:ドキュメント管理
レベル2:情報生成、共有および管理 ←現在のレベル
レベル3:企業知能
コミュニティの出現
KMはコミュニティによって共同作業を支援する。それはとてつもないパワーを有する。
ナレッジコミュニティ → 文化の学習 → 組織的な学習および革新
ビルディング・ラーニング・アーキテクチャ
セールストレーニングを行う場合、オリエンテーションから始まり、様々なトレーニングの組み合わせが考えられる。
Eラーニングで考える姿が一例として紹介される。
Eラーニングのフィールド変化
従来Eラーニングの枠に含まれていない分野が含まれてきている。
・クラスルームトレーニング
・非同期オンライン・トレーニング
・仕事の援助
・同時のオンライン・トレーニング
・コーチングとメンタリング
・フィールド経験
・シミュレーション
・ナレッジマネジメント
戦略の重要性
10のEラーニングの戦略推薦
◇Internal and external training organization
1.Refocus on quality. It still matters – a lot!
2.Don’t base everything on technology. It’s a tool, not a strategy.
3.Think knowledge and performance, not courses and training
4.Don’t kill the classroom.
5.Build e-learning strategy at the enterprise level.
6.Involve senior leaders… sooner rather than later.
7.Attack your pain
8.E-Learning is bigger than the training department, approach it cross-organizationally.
9.Don’t stop with employees; move to partners, suppliers and customers.
10.Plan for on scalability, mobility and 24×7 use. Project management support
◇サマリー:企業学習はどのように変わるか?
・Eトレーニングを越えたEラーニングの動き。
・知識への即座のアクセスは批判的になる。
・地域社会、コラボレーションおよび専門知識は、情報へのアクセスと同じくらい重要。
・アーキテクチャーが学習構成のビルディングブロックになる。
・より多くのチーフラーニングおよびチーフナレッジオフィサーが求められる。
・速度と敏感さはラーニングと同じくらい重要。
・Eラーニングは顧客への衝撃が著しく成長するということ。
・組織は包括的なEラーニング戦略を構築するだろう? あるいは失敗。
◇トレーニング構成はそれ自身基本的に変化する
・ナレッジ・マネジメントは完全にEラーニングに統合されるだろう。
・Eラーニングは従来の組織からより多くの独立したものになるだろう。
・Eラーニングのための多重年投資。
・増加したアウトソーシング。
・より多くのバーチャル組織。
・カスタマイズされ個別化された学習。
所見
彼のセッションはEラーニング初級者にもわかりやすいように、歴史やEラーニングがどのように変化し、進化してきたかを交えながら、インフラの構築が整備されてきた今、あらためて今後のEラーニングを考えるときの糸口を伝えてくれた。Eラーニングを理解していたつもりでも、彼の話を聞いているうちに、自分たちで使用するなり構築するなりのEラーニングを考えるにあたって、正しいナレッジの共有を図り、構造設計をきちんとしなければ、その先に進んでも穴ぼこだらけになってしまうことを今更ながら痛感させられた。
カンファレンスセッションの紹介:ASTD2002年
マーク・ローゼンバーグ