すべてのマネジャーがLearning2.0について知らなくてはいけないこと
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ASTDによるセッション紹介文
もしあなたがeラーニングに興味を持っているのであれば、それが時間とお金の大きな投資であるということに疑いはありません。そしてちょうどあなたがその全てを管理しようとしたとき、また、あなたがオーサリング・ツールや学習管理システムの決定を下したとき、あなたがオンライントレーニング戦略に着手したとき、事態が変わります。
トレーニングのマネジャー、あるいはビジネス・マネジャー全体にとってのチャレンジは、学習のいくつかの重要な新しいリアリティを、学びの知覚と実践の両方とにいかに適合させるかということです。Web2.0の到来で、私たちは次世代のeラーニングを超えて、次世代の学習そのものへと動きはじめることができます。Learning2.0はどのように従来のトレーニングやeラーニングシステムに統合しなければならないのでしょうか? その新しいイノベーションを受けて、組織はどのように変わらなくてはいけないのでしょうか? これらの新たなアプローチをフロントラインで働く人や、最前線のスーパーバイザー、そしてシニア・マネジメントを含めた皆に受け入れてもらうには、何を必要とするでしょうか?
この戦略に焦点を置き、管理指向のセッションは、ラーニング・エグゼクティブやマネジャー、シニア・インストラクショナル・デザイナーやすでに経験を積んだeラーニングの実践者が直面しているLearning2.0のイシューを発見するでしょう。それは、新たなパラダイムを提供します。わたしたちが知っているワークプレイス・ラーニングやクラスルーム・トレーニングが終わるのではなく、ラーニング・ファンクションのための機会の重要な発展、そして責任なのです。
このセッションは、しばしば教育用ソフトウェアのトラップや、すべてをオンライン上で行うことに恐れを持たずに、Learning2.0とは変形的で、その成功するインプリメンテーションは全てのレベルにおけるサポートを要求します。また、その成功したインプリメンテーションはすべてのレベルに支援を要求します。このセッションでは、単なるトレーニング・プランの付属物ではなく、あなたの組織の戦略にとって、不可欠で持続可能なパートとして、Learning2.0をどのように作るかという洞察を提供します。
あなたの学習プログラムが軌道上に乗っていても、あるいはある主の再考を必要としていても、このセッションは、あなたが正しい方向に動くのを助けるでしょう。
概要(参加者の人数など)
1,300人ほど収容できる会場で、300~400人くらいの参加者が集まった。韓国語と日本語の通訳が入っていることからアジア系の人が半数位を占めていた。
内容
セッションは大きく3つのテーマに沿って進行した。
ラーニング2.0とは
教師が中心のクラスルーム・トレーニングをラーニング0とすると、クラスルーム・トレーニング、オンライントレーニング、シミュレーション&ゲームの選択肢が学習者にある(blended learning)ものがラーニング1.0、これにメンター制度やコーチング制度、パフォーマンスサポート、エキスパートとの接触、実践のコミュニティ、情報の集積システムなど多様な選択肢が加えられものをラーニング2.0と定義している。
これまでのラーニングは講師が全てのナレッジの中心で、全員が同じように学び、教室がナレッジの広まる場所と見なされ、講座が良いラーニングのフォーマットだと考えられてきた。しかし、これからは学習者がラーニングの中心で、ナレッジシーカーとして主体的に振舞うことになるというパラダイムシフトがおきている。このラーニング2.0の特徴として、即時的でパフォーマンスに直結する情報にいつでもどこでも必要なときにアクセスできることが挙げられる。
ラーニング2.0に影響を与えているのは何か?
ラーニング2.0に影響をあたえているものとして、ワークプレス・インテグレーション、モビリティと分散化、ビジネスシステムとしてのラーニング、ラーニングカルチャー、技術革新、フォーマル&インフォーマルラーニングの6つがあげられている。
その中でも、インフォーマルラーニングと技術革新をフィーチャーしてとりあげていた。ラーニングの90%はインフォーマルラーニングによるものであり、とても重要なものだと強調していた。また技術革新については、当然のことながらWeb2.0がラーニング2.0に多大な影響を与えているとしてとりあげられた。Web2.0によって、それまで”One to many”であったネット上の繋がりが”Many to many”の関係も可能になり、多様なコラボレーションが生み出されるようになった。
ラーニング2.0が我々にもたらす変化とは何か?
ラーニング2.0によって今までのラーニングに多くの変化が起きると予想される。
よりパフォーマンスに直結し、現場に近いところへの重心の変化。講師やラーニングデザイン側の役割が、与える側から要求される側、促進する存在へ変化していくことに大きな注意を払う必要があるとしている。
これらの変化を踏まえて、マネジャーはラーニング2.0のファンクションとしての、トレーニング施設・技術インフラ・スキルセット・役割・評価基準・財務・ガバナンス・期待などの変化や課題を知らなければいけないとしている。
最後に、すべてはバランスであり組織の状況に応じたラーニングを提供するべきで、クラスルーム・トレーニングをなくしてしまってはいけないと説明している。ラーニング2.0に沿った役割を与え、選択肢の一つとして他の要素とうまく組み合わせて組織や学習者のレベルにあったものを用意するべきであると強調してセッションが終了した。
所見
特別に目新しい内容で、目からうろこがおちるといったことはないが、ラーニング2.0の概念がWeb2.0との関連性の中で説明され、Web2.0の活用可能性やナレッジマネジメントのありかたなどがうまくまとまって説明されており、とてもわかりやすかった。また、印象的だったのが、ラーニングの目的がより学習者の主体性を引き出し、講師はよりファシリテーティングな役割を求められているという点で、このテーマは他のセッションでもでていたようにいまの大きい流れのように感じられた。
カンファレンスセッションの紹介:ASTD2010年
マーク・ローゼンバーグ(プリンシパル、マーク ローゼンバーグ&アソシエイツ)