偉大な学習に関する議論
関連するキーワード
主要トラック:基調講演
学習に関する偉大な議論にぜひお越しください。最も有名なモデレーターの1人であるArthur Millerが、TechLearnの参加者のパネリストを招集し、学習に関する特別で正直なチャレンジを行います。我々の言葉は何を意味するのでしょう?我々の仕事のインパクトはどれほど正直なのでしょう?
内容
導入(エリオット・マーシー)
今回のディベートは8人の様々なパネリスト(Eラーニング実践者、ベンダー、コンサルタント等)に、聴衆の中から2名のパネリスト(1人は、Eラーニングに懐疑的、もう1人は熱狂的なEラーニングの信者という設定)を加えた10人と、モデレーターであるアーサー・ミラー氏により行われる。
アーサー・ミラー氏はHarvard Low Schoolの教授でOnlineでの授業をモデレートしました。
Debate
文中のマークの意味
■ アーサーミラーのコメント
● 他の10人のパネリストのコメント
■ 本日は多様なパネリストを集めて、この部屋にいるみなさん全てに影響を与えるような取り組みについて議論します。
■あなたはBank of AmericaでEラーニングをなぜ取り組んでいるのですか?
● 多くの人々の生活に違いを生み出したいからです。
■次にあなたはEラーニングに対して懐疑的ということでしたが、何が最も大きな疑問なのですか?
● ナレッジが存在することが本当に究極のソリューションになるかということです。伝統的なトレーニングにしても、Eラーニングにしても、スーパーバイザーによる明確な目標設定、学習行動の強化、マネジメント・システム、報酬システム、評価システムなどの、周りの環境がそれをサポートしないと意味がない。要は、ナレッジをどう運ぶかということではなく、ナレッジが環境によりどう強化されるかということ。
●我々はよく既にもうEラーニングのソリューションを持っていると考える。しかし、その場合は大抵ソリューションの一部分を持っているにすぎないのに、それに満足し、他のソリューションのキーを握っている人と話すのに時間を割いていない。だからナレッジを届けて、それがいいものならば、これはいいプログラムだということで終わってしまう。行動の変化にインパクトを与えるカルチャーにするために、部署、グループを超えて責任をシェアする必要がある。
■次にどのようにして、やる気のない受講者にEラーニングを取り組ませたらいいと思うか?
●学習を、トレーニングプログラムを受けて、職場で強化するという考え方は20世紀のもの。これからは学習と仕事が統一化される必要がある。つまり、もしある業務に必要な知識をもっていなかった場合、その知識が自分の目の前にあり、その知識を探索し習得するのにわざわざ3カ月もかける必要がなくなるのです。
■ Just-in-timeの学習のことを指しているのですか?
● はい、それがEラーニングの可能性です。Eラーニングの本当の可能性とは、費用の削減のためにコースに出向かないで、オンラインで受講するということではありません。しかしまだ、我々はそこに至っておらず、Eラーニングに臨むに際しても、仕事を一時中断して、コースをオンラインで受けるという状態です。しかし、Eラーニングのコースもラーニング・オブジェクト化に伴い、どんどん短くなり将来的には5分のコースも現れるでしょう。そうなってくると、学習と仕事との境界がなくなっていきます。これはすばらしいことです。
■よく我々が混乱するのは果たして、学習の高速化というのは情報にアクセスするスピードが速くなることかということではないですか?
● 混乱しているのではなくて、高速化ということを統合していかなければならないということです。= 混乱しているのではなくて、高速化ということを統合していかなければならないということです。
● 我々学習のプロが考えるべきことは、何かを学習したい人もいれば、情報がただ欲しいという人もいます。Eラーニングは全てを満たすメディアであるべきです。
■その場で必要な情報もしくは学習を必要なときに素早く行うというクイックなjust-in-timeの学習がエントリー・レベルの人(その仕事についたばかりでスキルが必要な人)にも必要とは思えないのですが?
● それにはブレンドがキーとなるでしょう。学習は組織の目的や人の開発につながらなくてはいけませんから、最も効果的なものを従業員に与えるべきです。
● テクノロジーはもはや充分であり、我々の真のチャレンジは、人がどのように学び、どのように行動を変えるかということです。
● 昨年のTechLearnで言われたように、”Magic is in the Mix”であり、キーはブレンドにあるのです。
■ 大抵Eラーニングは成功したというとき、私たちは、何人の人が受講して、どのようなシステムがインストールされたということをメジャーにしていて、本当にEラーニングがなすべきことをメジャーにしていないように思うのですが?
● 以前に商法を教えていた同僚がいましたが、彼は3年間の学習経験を語るにあたって、「あれは良いコースだった。みんなAを取った」といっていたが、何がうまくいって、何がうまくいかなかったかさっぱりわからなかった。
● 私たちの会社はしっかりとしたアセスメントツールを持っており、ブレンドが効果をなしたかなさなかったかは、受講者が充分なクォリフィケーションを受けたかどうかでわかります。
■あなたはそのアセスメントフィルターに自信を持っているのですか?
● はい。
● 学習とは何かをもう一度見直す必要があります。我々は学習を「行動を変える全てのもの」と定義づけていますが、現在のトレーニングはほとんどが、レベル1、もしくはレベル2といった、「あなたはこのコースに満足しましたか」という視点をもとに作られている。だから、どのように学習を定義するか、そしてどのように効果を測定するかを見直さなければならない。
● 株主は我々の学習にお金を払っているのではなく、それをどう応用したかに投資しているのです。
● 私がEラーニングもしくはブレンデッド・ラーニングというときはそれはかならずしも、CBTやWBTを組み合わせるということではありません。私は知識の習得を指しているのです。だから、まずクラスにて特定の専門知識を学んだ後に仕事に戻ってコーチング等を通して、それを強化する必要があり、それがブレンドであり、それは組織の目標にターゲットされたものでないといけないのです。
● あるチームでチーム学習をしたところ、そのチームは、それは業務のプロセスであり学習だとすら感じませんでした。しかし、それはまさに学習経験なのです。それが今まで議論されてきた、学習と業務の境界がないということなのです。
■グローバルな組織においては、教育のプラットフォームをカルチャーごとに変える必要があると思いますか?
● 共通のものを持てれば、それは非常に楽でありがたいです。しかし実際は組織がそれぞれ独立した存在であるのです。だから、別々のプラットフォームを持ちますが、当然それをつなぐことも必要になります。
■ 次の質問、9月11日はEラーニングにどのような影響を短期的に及ぼすでしょうか?
● 9月11日以来、多くのカスタマーが私のところにEラーニングで何かできないかを尋ねに来る。それはひとえに、より学習の効率性が求められているからです。その意味で、Eラーニングは増えるでしょう。
■ 効率的ということは効果的ということとは違いますよね?
● はい、効率的というのは学習に対するアクセスがよくなるということです。
■ 現在の厳しい状況は、Eラーニングの普及に拍車をかけるということですか?
● はい、そしてそれは既に起こっていることです。
● 確かに、組織のEラーニング化への要望は高まるでしょう。しかし、そこでEラーニングを適切に使うことができずに、しっかりとROIを示せないと、そこで終わってしまうかもしれないという問題があり、それは全てのEラーニング産業に影響を及ぼすでしょう。
■Eラーニングのエンジンはもう止められません、Eラーニングを推進する上で、リスクとなることは何でしょうか?
● キーとなるのはやはり評価です。伝統的な学習においても、ASTDのレポートによるとたった8%の企業がレベル4の評価を行っているにすぎません。
■ 誰が”Arthur Miller”を所持するのですか?つまり、個人により提供されるEラーニングのコンテンツを所持するのですか?
● Eラーニングのコンテンツを個々のスタッフに帰属させる大学があれば、そういう大学は今後教授を集めるのに苦労しないでしょう。
所見
Eラーニングに関して、米国では今どのようなことが議論の対象となっているかが、よくわかるセッションであった。話題の中心はブレンデッド・ラーニング、Evaluation、であったように思う。
Arthur Miller, Harvard Law School