Eラーニング

あなたが知っているインストラクショナル・デザインについてすべて忘れ、なにか面白いことをしよう

カンファレンスセッションの紹介:ASTD2006年
あなたがEラーニングのデザイナー、またはそうなりたいと思っている人だとします。あなたは学習することと教えることの基礎を知っています。しかし、時間、予算、技術、人々に満足してもらうこと関して、コンテンツのプレゼンテーションと質問を得る以上のことをするEラーニングアプリケーションの構築を、あなたはそのようにするかわかりません。このセッションでは、スピーカーは、いくつかのよくある、Eラーニングを灰皿へと変えてしまう思い違いについて正しく説明します。

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概要(参加者の人数など)

500人ほど。途中退室者はほとんどいなかった。

内容

私の息子はジョージワシントン大学で修士号をとって大きな自動車会社に入り、いろんなトレーニングをしているが、ほとんどのプログラムはひどくまずい。退屈なトレーニングをやっていてもしょうがないし、つまらない授業には出たくない。インストラクションをどういう風に作るか設計するかに取り組んでいる。

インストラクションをどういう風に作るか

●Boring is Bad(退屈は悪い)
みんな退屈させるのが悪いのは分かっている。それでもよいと思っている人がいたら、それは困る。教える価値のある内容はどれくらいあるのだろうか。彼らが間違っている場合もある。リサーチベースの教材の構築が書かれていても、あまりに一般化されすぎている。どういうことがそこから学べるのか。アピールはあるか、本当に行動様式を変えられるのか、正しいということを教えるのではなく正しい時に正しいことができるようになるということが重要。

●会場への問いかけ

・Eラーニングのアプリケーションを作ったことがある人→約半分
・何を作っているのかわかっていた人は座る→半分
・期待通りに反応が良かったという人は立っていてください→約10人

一生懸命作ったのにも関わらず、という現状を示している。

●Eラーニングの有効性
時間の制約や予算の制約があるときにEラーニングは有効。

●Eラーニングの課題
いろんなことを正しくやっても多くの問題が残る。マネジメントの支援や他の人とのコミュニケーションも重要。
とにかく書けばよい、書いたことでそれが守られるというのでコンテンツをつめこむのでは本当の問題に対応していない。成功というのは正しいときに適正なことをさせるということ。何が正しいことか知る、正しいことをするという
順序でそれを支援する。

迷惑な知恵の9つの例(誤解された行動の指針)

すべてをここでフォローはできないが、いくつか焦点を絞ってお話しする。

1.コンテンツは王様である。
コンテンツが多すぎだらだめ。教育課程の中に教えるべき事柄が多すぎるのは問題。コンテンツにパワーはあるが、なぜそれが必要なのか上手く説明できないし伝わらない。後になったら効果があるといっても学習者は納得しない。実際に学習者に何が起きるかに興味がある。

2.エキスパートはよく教える
エキスパートは知りすぎていて、知らないということがわからない。また、エキスパートには、なかなか聞きにくい。一番最近コンテンツを学んだ人はどうやったら上手く学べるのかを覚えているので、そういう人が一番助けを提供できる。

3.文責を終えてからデザインする
分析は必ずしも完成できないので、先にデザインをしてしまうのが良い。デザインして実証するというのは古い考え方。

4.学ぶ内容をリストにする
誰も読まないし、やる気をなくす。

5.スキルのヒエラルキーを下から学ぶ
つまらないものから初めてしまう。モチベーションを刺激するのに失敗する。面白いのは上ですごく退屈のなのは一番下。用語から教えられても面白くない。上が面白い。大きいことにチャレンジさせて、そのためにはいろんなスキルを合わせないとできないというのを実感させ、それだったら小さい方からということに気付かせるのが良い。なぜこのようなことを学ばなければいけないのか、と思っている時に詰め込んでも無駄。構造が無くて放り出しても友好的な学びができないので、チャレンジさせながらも積極的にアクティブにここがわからないからと助けてを求めさせるのが有効。

6.即時にフィードバックする
即時提案フィードバックはよくない。考えるということを減少させてしまう。Eラーニングだとかなりうまくいく。遅れれば影響は小さくなる。

7.ラーナーのエラーを減らす
チャレンジも考えることもない。過ちに気付いたほうが学習効果は高いが、恥をかかされては学ぶことができない。ラーナーの利益になるようなエラーは与えても良い。

8.教えてからテストするのはよいことだ
テストをしてから教えるほうが良い。教えてからテストをすると恥をかかせて学習を阻害する。同じようでもやりようを変えれば上手くいく

9.ドリルと練習では教えるということができない
これは間違っている。洗練されて強力。テストをしてから学ぶことができる。すばらしいプラクティスだ。

Eラーニングの実例1 マネージャーがメンバーの問題に対処する方法を学ぶプログラム

悪い例。読んだとたんに眠くなる、15パラグラフある長いもの。スコアが出るがどういう意味だかわからない。1つだけミスをしているが、それがどのくらい悪いのか分からない。間違えた問題を繰り返して3問中3問が正解しても何にもならない。Eラーニングは不幸なことにそんな状態。このようなやり方はとても苦痛。

Eラーニングの実例2 フライトアテンダントのチェック機能

フライトアテンダントが離陸の前に消火器や懐中電灯などのセイフティチェックをしていなかった。分厚いマニュアルを持っているがあまりにも重くて持ち歩けない。その際に作った映像の紹介

・飛行機が海面に不時着をするが、その時に必要な物が積んでいないというアニメーション

なぜ行動様式を変えなければいけないのかを、学ぶのに良い方法。目的をモジュールとして書くのはあまり良いやりかたでない。

Eラーニングの実例3 職場の安全性をどう学ぶか

読むと退屈だが、適応しようとすると面白い。

・オフィスの中にいる人にカーソルを合わせるとそれぞれの人が何を言っているか出てくる。その状況で何が優先で誰に話をすれば良いのかを学ぶ

会社に対して脅しを考えている人間に話を聞いてマネージャーに報告し、将来的に暴力をふるうかもしれないのでセキュリティーに行く、という流れを体感する。潜在的に自殺意図がある人のことも考えることもできる。

Eラーニングの実例4 小麦粉について学ぶ

違う種類の小麦粉を作るのに、どの小麦をどう粉砕して混ぜて何に使う用の小麦粉を作るのか、というのをゲーム形式で学ぶ。

今後の課題

9 つの誤解でやっているEラーニングは変えなければいけない。人々の行動様式を変えるためにコストではなく考え方を変えることが必要。Eラーニングは人を関与させなければいけない。面白ければ、何回もやる。エンゲージ、関与しているということが起きる。個々にカスタム化することもできる。

Eラーニングに取り組む上での障害

上司の説得のためには実際に何を使うのかを見せたほうが良い。無料でサンプルを提供するので、ぜひ使っていただきたい。

所見

明るい雰囲気で和やかなムード。テンポが良く、Eラーニングのコンテンツを沢山見せてくれるので、参加者が飽きない作りになっていた。また、最初にあげた9 つの項目の何がどういう風に駄目でどうしたら良いのか、という説明も非常にシンプルで、Eラーニングのあるべき姿が分かりやすく体感できた。

私たちは人・組織・社会によりそいながらより良い社会を実現するための研究活動、人や企業文化の変革支援を行っています。

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