インタラクティブ、経験的、そしてやる気になるWBTプログラムをいかにデザインするか
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WBTプログラムをデザインするのはアートであり、サイエンスでもあります。このセッションでは、受講者にとって、インタラクティブでやる気になるプログラムをいかに作るかについて議論します。そして、心理学的側面、神経学的側面、運動学的側面、教育学的側面、そして哲学的側面からのデザイン理論を見ていきます。議論は以下の点にフォーカスを置きます。
・楽しくそして真剣な学習体験をデザインするのに理論をどのように応用するか
・マニュアル、ジョブエイド、といったさまざまな手法をブレンドしての学習体験
概要
150名くらいの会場であったが、最初は立ち見がでるほどの反響ぶりであり、質問なども活発にやりとりされていた。。その反面、セッションの途中から席を立つ人も少なくなかった。
内容
構成
ダイムラークライスラーのケーススタディ
・学習者と我々のチャレンジ
・デザインと開発の手法
・フレームワーク
・我々の信念
・トレーニングの結果
・学習者からのフィードバック
イントロダクション
ダイムラークライスラーファイナンスサービスが、ディーラー向けのトレーニングを提供する。ダイムラークライスラーには世界中にディーラーがいて、彼らの戦略上での重要性を考えるとマニュアルを渡すだけのトレーニングは不適当である。そこでWBTプログラムを提供することになった。
受講者の背景
・現場でのスーパーバイザー
・年齢は25~40歳
・独立して働いている。
・従業員の入れ替わりが激しい。
・すぐにアプリケーションが使えなければならない。
・オンサイトのヘルプが必要
受講者の背景を踏まえての我々のチャレンジ
・受講者がやる気になるものを作る。
・受講スケジュールをフレキシブルなものとする。
・インタラクティブなものにする。(受講者の年齢層が若いため、単なるページめくり機ではすぐに飽きられてしまう)
・トレーニングの後に、パフォーマンスが向上する。
・低いコストに押さえる。
デザインと開発の手法
以下の側面からのアプローチを行った。
・科学的側面
・心理学的側面
・神経学的及び運動学的側面
・哲学的側面
◆科学的側面
科学的側面において注意を払ったのは以下の点についてである。
・経験
・事実
・手法
・リサーチ
・仮説
また、選択する手法としては、以下のものが挙げられる。
これらと受講者のニーズから以下のソリューションを選択した。
1.インタラクティブでやる気を起こさせるWBTのプレゼンテーションとシミュレーション
2.ワークブック
3.ジョブ・エイド
◆心理学的側面
次にそれらのソリューションを提供するうえで、フォーカスするポイント(下記)を心理学的側面より考えた。
・どのように人々は学ぶか
・何が人々にとって学習の動機付けとなるか
・なぜ人々は学習に失敗するか
・学習を推進する上で、より優れた方法とは何か
◆哲学的側面
次に哲学的側面からは以下の点にフォーカスした。
・学習とトレーニングにおいてはダイアローグ(対話)が究極の形である。
・ダイアローグとは、知識や洞察、感性を高める上で発見や新しい理解を促す行動である。(Nicholas C. Burbules)
◆コミュニティ・サポート
また、コミュニティのサポートをプログラムに付加する上でのフォーカスするポイントとしては、以下が挙げられる。
・学習者が同じような情報をシェアできるコミュニティを提供する。
・プロフェッショナルがどのような仕事をしているか調査し、参考にする。
・パフォーマンスの向上を支援する。
デモンストレーション
これらの理論をもとに作成したWBTプログラムの一例を紹介。
その内容は、アプリケーションの使い方をハンズ・オンで学ぶもの、及びメンターを使ったStoryTelling等であった。
トレーニングの結果
・トレーニングの期間が1~3カ月から1週間に短縮された。
・仕事での失敗が減った。
・自分の仕事が明確化された。
受講者からのフィードバック
99%の受講者がトレーニングに満足し、他の人にもこのコースを勧めたい、また他のWBTプログラムを受けてみたいという解答を得た。彼らのコメントには以下のようなものがあった。
・自分のペースで学習できる。
・前に戻って復習できる。
・シンプル ・ すばらしいトレーニングである。
・新鮮で適格な情報 ・ ニーズに合っている。
・すばらしいスクリーンのデザインである。
・ナビゲートが容易
所見
心理学的側面、神経学的側面、運動学的側面、教育学的側面、そして哲学的側面からのデザイン理論ということで、非常に期待していたのだが、実際のプログラムは、ゲームの延長といった感じであった。また心理学的側面からのプログラムというのも、途中にブレイクが入っていたり、正解すると車に乗ってどこかにいったりするという単純なものであった。高度な理論に裏づけされた、高品質な教材とはいったいどんなものなのか改めて疑問を持つに至った。
Kathy Sui:DaimlerChrysler, Karen Cowan: DaimlerChrysler