学習のあり方が「カンパニー・センタード」から「ラーナー・センタード」にパラダイムシフトしている中、多くの企業が自社の人材開発体系を見直そうとしています。ヒューマンバリューは職場にラーニング・カルチャーを醸成しながら、人材開発体系のリ・デザインを支援しています。
ヒューマン・アセスメントの開発・実施支援
自己の強みや課題、成長ポイントへの認識を高める「ヒューマン・アセスメント」は、効果的にプログラムをデザイン・展開できると、働く人々の成長を加速させるとともに、組織のあらゆる階層の人々が、人の成長に責任とオーナーシップをもつ「タレント・カルチャー」の醸成につなげることが可能です。
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アセスメント・プログラムがタレント開発のレバレッジとなる
AIをはじめとしたテクノロジーの進化が著しく、スキルやコンピテンシーが陳腐化しやすい現在において、タレント開発の大きな課題として、働く一人ひとりが、常に学び、スキルアップし、成長し続ける状態をいかに実現できるかが挙げられます。
そこで重要になるのは、今あるスキルや能力ではなく、自分自身の強みや課題を適切に認識し、これから何を高めていきたいのかを明らかにできる自己の認識能力やメタ認知の力といえます。そして、そのためにも周りから適切なフィードバックを受け、それを自身の成長に生かすことで、学習性を高める機会を得ていく必要があります。
そうした中、多くの企業で従来から行われていた「ヒューマン・アセスメント」の位置づけも変わろうとしています。現在の能力をジャッジし、昇進・昇格、登用の判断材料に使う「評価型」の位置づけが薄れ、自己の強みや課題の理解を深め、成長・学習性の向上につなげる「開発型」に重点がシフトしています。
アセスメントの機会・プログラムを効果的にデザインし、生かすことができると、グロース・マインドセットを育み、より高い次元でタレント開発を実現するレバレッジになり得ます。
時代に合った効果的なアセスメントの実施
では、今の時代のアセスメントに必要な要素には、何があるでしょうか?
1点目が、「リアリティ」です。
旧来型のケーススタディやゲーム、グループ討議といったものを中心としたセンター方式のアセスメントでは、抽象的な思考能力や利害の少ない安全な環境での発揮行動は見ることができますが、現実の厳しい場面において、どれだけのリーダーシップを発揮しているのかを見ることは困難になります。学習が職場での実践を通じてこそ起きる現在、アセスメントにおいても、現実の仕事のリアリティをどれだけ持ち込めるかが、成長につながるフィードバックを行う肝となります。
2点目が、「未来を切り拓く力」を育むことです。
今求められるのは、瑕疵なく、卒なく仕事を進められる人材ではなく、自ら未来を切り拓いていく人材、つまり、たとえ困難な状況にあっても、積極的にチャレンジを行い、成果が結実するまで取り組み続け、仲間と協働しながら、ビジネスを牽引することができるようなリーダーシップ・マネジメントを発揮できる人材といえます。こうした力は、これまでのアセスメントでは評価・開発することが難しく、ポジティブ心理学や認知行動科学に基づいた新たなアセスメントのあり方が必要になります。
3点目が、「タレント・カルチャー」の醸成です。
アセスメントを行うということは、自分たちのビジョンの実現に向けて、どんな人材が大切か、働く一人ひとりに何を高めてもらいたいのかということを、全社的に真剣に議論することが求められます。またアセスメントの結果を生かして、本人の成長やアサインメントにつなげられるよう、マネジメント層が議論を行うタレント・ミーティングを開催することで、人の育成への関心を高めていくことにもつなげられます。アセスメントを人事部と専門のアセスメント会社だけが担当するものではなく、職場の上司をはじめとした全員が人々の成長に責任とオーナーシップを持てるようなカルチャーにしていくことが重要といえます。
ヒューマンバリューでは、20年以上に渡って、上記3つのポイントを実現する「ヒューマン・アセスメント」のメソドロジーを研究し、実践しています。
<主な取り組みやプロジェクトの例>
・「パフォーマンス」「メンテナンス」「グロース」の3軸を基にしたアセスメント・プログラムの開発
・マネジメント層による「タレント・ミーティング」の開発・運用支援
・アセスメント・プログラムの展開を通じた「タレント・カルチャー」の醸成
・360度フィードバックを始めとしたサーベイツールの開発支援
・…etc
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職場の高齢化が進む中、シニア・ベテラン社員のタレント開発やキャリア開発の促進が企業の大きなテーマになってきています。ヒューマンバリューでは、「内的キャリア」と「グロース・マインドセット」という2つの軸に基づいて、シニア・ベテラン社員がより良く生き、未来を切り拓いていけるサポートを行っています。
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