職場の高齢化が進む中、シニア・ベテラン社員のタレント開発やキャリア開発の促進が企業の大きなテーマになってきています。ヒューマンバリューでは、「内的キャリア」と「グロース・マインドセット」という2つの軸に基づいて、シニア・ベテラン社員がより良く生き、未来を切り拓いていけるサポートを行っています。
ラーナー・センタードな人材開発体系の見直し・構築支援
学習のあり方が「カンパニー・センタード」から「ラーナー・センタード」にパラダイムシフトしている中、多くの企業が自社の人材開発体系を見直そうとしています。ヒューマンバリューは職場にラーニング・カルチャーを醸成しながら、人材開発体系のリ・デザインを支援しています。
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企業教育の「パラダイムシフト」
今、企業内における既存の人材育成や教育体系が機能しなくなってきています。教育のあり方を根本から見直し、新しい人材開発の枠組みを再構築していきたいと考える企業が増えています。
その背景には、企業内教育の「パラダイムシフト」があるといえるかもしれません。従来のような、決められたゴールに向けて、企業側が学ぶべき知識を押し付け、集合研修やOJTでスキルを習得させていくような「カンパニー・センタード」な教育は、学習したスキルが5年で半減してしまうような変化の速い時代においては限界があります。そして何よりも、そうしたやり方では、学習者のモチベーションを高めることにつながらないといえます。
今の時代に必要なのは、企業側ではなく学習者に視点をシフトした「ラーナー・センタード」な学習環境を実現することにあります。それは、一人ひとりがグロース・マインドセットを育み、好奇心をもとに様々な学習機会や経験を得られ、日々の実践や他者との関わりから洞察や知恵を生み出していくような、自律的・起業家的な学びのあり方を促進する取り組みといえるかもしれません。
そうした「ラーナー・センタード」な学びを育めるような学習環境をいかに構築していけるかが、今企業や人材開発部門に問われているといえるでしょう。
「ラーナー・センタード」な学習環境の構築のポイント
ラーナー・センタードな学習環境を構築するポイントには何があるでしょうか。ヒューマンバリューでは、以下の4つのポイントを重視し、クライアントの人材開発体系の見直しをサポートしています。
ポイント(1) 人材開発の共有ビジョンを描く
人材開発体系の見直しを図る上では、自社の人材開発の哲学やありたい姿を明らかにすることが重要です。経営陣や事業部のメンバーとともに自社のビジネスや組織、人材をどうしていきたいのか、そのために何を大切にしたいのかを探求する場をもちながら、人材開発の共有ビジョンを生み出していきます
<主なサポート内容>
経営陣とのミーティング、人材開発のありたい姿(共有ビジョン)の創造等
ポイント(2) 学習と成長の生態系(エコシステム)を理解する
人材開発の枠組みを見直す上では、いきなり研修の改訂をかけたり、新たな仕組みを導入したりといった、施策に走ることは得策ではありません。
人材開発部門のスタッフが、現場に入り込み、社員一人ひとりが実際にどのような体験をして、どのように学び、どう成長しているのか、学習を支える職場の環境はどうなっているのか、何が阻害要因になっているのかといった、学習と成長の生態系(エコシステム)を理解することが重要です。
<主なサポート内容>
職場インタビューの設計、実施、インタビュー担当者のトレーニング、インタビュー結果の整理、報告書の作成
ポイント(3) 全体のシステムをデザインする
社員の成長に関わる要素には、仕事の体験、周囲とのつながり・関係性、社員の意識・学習性、研修のようなオフサイトの学習機会、日々の業務を支援するツールなど、様々なものがあります。現場への理解や自社の戦略への理解を深めた上で、そうした要素を組み合わせながら全体のシステムを有機的にデザインし、社員一人ひとりが主体的・自律的に成長していけるよう支援していくことが必要です。
<主なサポート内容>
ビジョンに基づいた人材開発の施策・仕組み創り、全体システムのデザイン、個別の研修・ワークショップの開発・実施等
ポイント(4) ラーニング・カルチャーを創る
ラーニング・カルチャーとは、働くすべての人々がお互いから学び合ったり、組織のすべての人がメンバーの育成に責任感や使命感をもって関わっていることが日常的に行われている状態です。どんなに素晴らしい施策や制度を構築しても、それに携わる人々の意識や行動、つまりカルチャーが変わらなければ、効果的な育成にはつながりません。人材開発の枠組みを見直す際には、ラーニング・カルチャーを創るために、できるだけ多くの関係者を巻き込んで、みんなで考えるプロセスを用意していくことが効果的です。
ラーニング・カルチャーは、一朝一夕で生まれるわけではありません。まずはできるところからスタートし、生成的に変化を育んでいくことがポイントとなります。
<主なサポート内容>
ステークホルダー(影響関係者)の巻き込みのプランニング、プロジェクトチームの形成・ファシリテーション、社員を集めた対話会の実施、ラーニング・コミュニティの形成
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グロース・ マインドセットの醸成
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VUCAワールドと呼ばれる、変化が激しく、不確実性の高い環境は、私たちの働き方やキャリアのあり方にも影響を及ぼしています。ヒューマンバリューでは、そうした変化の時代に、一人ひとりが自分の軸をもって主体的に自分らしいキャリアを切り拓いていくプロセスをサポートしています。
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